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嵐の前の静けさ。
その言葉が合うよに物音一つ聞こえない今宵は、糸の様な声もよく届く。








貴「…帰る」



銀「帰るって…」

銀「そういやァお前」

銀「今は何処で何をしてンだよ?」







――― どれぐらい時間がたっただろうか。もしかしたらそれほどなのかもしれない。
時間なんて分からなくなるくらい濃い時に終わり告げよう。


銀時達から離れて開けた窓からは心地良い夜風が入り込む。
靡く髪は長くて細い桜色で、月明かりに透けるその姿は、まるで絵に描いたように美しい。








貴「んー、その内分かるンじゃない?」








久しぶりに見た笑みは意味深く。
何処となく"嫌ってぐらい知っている奴"に似ている。









桂「…執念深いなァ」

桂「"アイツ"も、…俺達も」









闇に溶け込むよう去って行ったA。
残る温もりを消したくなくて、しばらくはそこを動かないで居た。









――― いつかの毒を思い出しながら。




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作者名:み子。 | 作成日時:2017年1月23日 17時

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