愛と心のない私【美男高校地球防衛部LOVE！】 (ページ14)

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12．縛る者と秘密事ページ14

貴「ったく……どんだけ長湯してんのよ……」

女子を待たせといて、長湯とはあっ君も大胆ね。

まぁ、多分私のこと忘れてると思うけど。

空を見てみると、星がチラチラ儚く光っていた。

そう言えば、小さい頃、あっ君と草ちゃんと流れ星見たな……

あっ君はヒーローになりたい……だっけ。

確か、草ちゃんは……何て言ってたっけ。

でも、確か言ってたよね……

なんだっけ。

私はもう一度、空を見る。

刹那、私の携帯が鳴った。

貴「……」

私は黙って、携帯を通話ONにし、耳にあてる。

貴「……はい。もしもし」

『ちょっとどこほっつき歩いてんの？！』

貴「……すみません。」

電話の相手は、お母さんの姉『天城ひなた』。

お母さんとは違って、ピアニストとしては最悪。

天才と唱われたお母さんとは、大違いの人。

それと同時に、私を音楽に縛り付ける人。

ひなた『早く帰ってきなさい。天城家に、分かったわね？』

せめて、迎いくらいこさせろよ……。

貴「……分かりました。」

親がいない私にとって、天城家に逆らえないのは事実。

仕方のないこと。

そして、耳元で通話が終わる音が聞こえる。

私は携帯を鞄にしまった。

でもな……。

私は男湯の所を見る。

そして、そこから人が出てきた。

？「？どうしたんだ？」

貴「あの……」

うわっ……

？「もしかして、有基達に用か？」

貴「そうなんですけど……」

？「じゃあ、呼んで「大丈夫です！」……そうなのか？」

貴「はい。大した用事じゃないので……」

私は、さっき素早く書いたメモを、あっ君達の知り合いらしき人に渡す。

貴「これ、渡しといてください」

私は、メモを知り合いらしき人に押し付けて、天城家のアルバム方向へと走った。

？「お、おいっ！」

ごめんなさい！！

でも、早く行かないと……

私は、ちらっと後ろを向く。

私は、思わず転びそうになった。

何で、何で、草ちゃんがこっち見てるの？！

私は、唇を強く噛み締めて走る。

あっ君と草ちゃんには、まだ秘密にしなきゃ。

私は、ただひたすらに走った。