ただ、愛がほしいだけ【マサイ】 (ページ14)

今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:32,796 hit

14 ページ14

.

向かい合わせに座ってAさんが話してくれるのを待った

不安にならないように、手は握ったまま

「……マサイさんと話して、出てって…待ち合わせ場所に向かったの」

マ「うん」

「そしたら、今日は家に来てほしいって言われて…」

マ「うん」

「その人の家に行ったら、男の人が2人いて、まずいと思ったんだけど、無理矢理部屋に入れられて」

マ「……」

「がんばって逃げ出したんだけど、服は破られちゃって…初めて怖いって感じた」

マ「……なんで俺に助け求めてくれたの？」

「…一番、安心できるのは、マサイさんだったから…」

彼女の頬にまた涙が流れた

俺は、その気持ちに応えようと抱きしめ、背中をさすった

「馬鹿ですよね…マサイさん、やめた方がいいって言ってくれたのに…ごめんなさい」

マ「…傷付けたって思ってた」

「私、元から傷付いてるから…」

会話になってるのかなってないのかわからないような…

でも、Aさんが安心してくれたようでよかった

「ありがとうございます、マサイさんがいてくれてよかった」

マ「役に立ててよかったよ」

「……もう、やめます」

マ「え？」

「いろんな人と関係持つの。今日のことと…好きな人見つけたいなって」

マ「…そう思ってくれて嬉しいよ」

本当は少し不安だ

Aさんの好きな人になれる確率があるかわからないから

マ「そういえば、どうやって男3人から逃げたの？」

「あ…小さい頃合気道習ってて。まさかこんなことで使うなんて思ってもみませんでしたよ」

マ「男3人に勝つってすげぇな」

俺が思ってるより、Aさんは強いのかもしれないな

.