59話 ページ9
英太SIDE
(分かってはいたけど……、ダメだなこいつ。全然理解してねぇ)
俺は一つ溜息を吐いた
そんな俺を見て、Aは怒りの声を上げている
…まぁ、若利もまだ、分かってはいないんだろうけど
俺も驚いたわ
まさか、あの若利がなぁ…。
でもあいつは、中学の時からこいつのことを気にかけて、しつこく部に誘って、今回の計画を企てたのもあいつだし、そもそもの土台は全部若利だ
よっぽどの想いがなけりゃぁ、ここまで出来ねぇよな…。
(友達とか、そんなもんじゃ、あいつはここまでしねぇよ)
それをまだこいつは、分かってねぇんだよなぁ…。
全く鈍感が過ぎるというか
(…まっ、俺の気持ちにも気付いてねぇくらいだ。仕方ねぇか)
高二で同じクラスになって、俺から話しかけに行って、そっから仲良くなって、名前で呼び合うようになって、三年でも同じクラスになって…──
こいつのことを知りたくて、近付きたくて、長い間自分なりに歩み寄ってきたつもりだが…──
…こいつは、それすらもきっと、良く分かってねぇ
ただの尊敬心だと思ってる。だがそれすらも、自分には烏滸がましいと思ってる。
(……馬鹿だよなぁ……)
自分がどれだけ凄いことをして、頑張ってて、どれだけ沢山の人に愛されているかも知らねぇで
……ホント……、
『ちょっと英太!!さっきから人の話を聞いているのかね!?』
「バァーカ」
『はぁぁぁあああああああああッ!?!?!?』
再び怒りの声を上げるA
俺はそんなAを、軽くあしらった
一体何時になったら気付くんだよ。早く気付けよな、馬鹿野郎。
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ラッキーキャラ
白布賢二郎
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作者名:桜 | 作成日時:2019年10月10日 19時