4.問題児の遅刻 ページ4
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蘭「お、今日は学校行くの?」
『うん。そろそろ行かないと担任に内申点がどうとかって怒られそうだし。』
蘭「じゃあ送ってってやるよ。」
『本当!?ありがと♡』
竜「はぁ!?いっつも兄ちゃんじゃん!!俺でもよくね!?」
『んー、じゃあ竜ちゃん帰り迎えきてよ。』
竜「(竜ちゃん………!!)おう、任せろ。」
学校に友達は一人もいない。こんな身なりで遅刻も欠席も多い私には話しかけづらいんだと思うけれど、あまり行きたくない。だって独りは寂しいって知ってるから。今日行くことにしたのはただの気分だ。
蘭兄のバイクの後ろに乗せてもらい、渋谷第二中学まで飛ばしてもらった。
『蘭兄、ありがと』
蘭「俺には蘭ちゃんって呼んでくんねーの?」
『えー呼ばれたかったの?蘭ちゃん行ってきます♡』
蘭「ん、行ってらっしゃい。俺の可愛いA。」
ご満悦そうな蘭兄に見送られ、正門を潜るとチャイムが鳴った。あ、これ本鈴だ。
『時間間違えたー、まぁいっか。』
道理で生徒が全然歩いてないわけだ。なんて思いながらも、急ぐことなくゆっくり教室へ向かった。そろそろ生徒指導室呼び出されそ、まぁ呼び出された所で行かんけど。
ガラッ
「灰谷!!やっと来たと思ったらまた遅刻か!!」
『ごめんなさーい』
「それにまた校則違反してるじゃないか!!」
『はいはい、気をつけまーす』
「はいは一回!!」
『はぁい』
「伸ばすな!!」
私すげー問題児扱いだな、ウケる。席について教科書を広げるだけ広げ、聞いてるふりをした。ヒソヒソと私を見て話す他の生徒たちの視線に気分が悪くなって、やっぱ来なきゃよかったかもって後悔した。
三「おはよ、Aちゃん。」
『おはよー』
三「相変わらずの遅刻か?」
『時間間違えた。』
三ツ谷隆、隣の席に座るたぶん同じ類の人間。
銀髪だしピアス空いてるし。風の噂で東京卍會っていう不良グループの弐番隊隊長とか聞いたことある。誰も私に話しかけない中、唯一話しかけてくる変な人。不良ってことは私の兄たちのことを知っているのだろうか。
だけど不良は不良でも、この人は誰にでも優しいし手芸部の部長だ。私とは似ても似つかない存在である。
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作者名:ゆ | 作成日時:2023年10月15日 22時