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細っこい手で鍵を握りしめているA、その姿を見てベルは何か言いたげだった
スクアーロもそれを見て何も言い出せなかった
今更こいつをキャバッローネに返したって、その輪の中に混じれるはずがないのは分かっていたから
スクアーロも危惧するべきことは分かっていた
この先起こり得るだろう危険
病気で弱っていたところを狙われた跳ね馬
その弱みを見逃すほどこの世界は甘くない
Aもまた
仲間のいない首領
ひとりであの街を守るには限界が見える
しかしその時にAには頼るべき仲間などいない
これではすぐにまた
キャバッローネは堕とされるだろう
しかしヴァリアーも忘れてはいけない
その危険性に気づいていながら、
この少女に手を差し伸べた
罪はすでにヴァリアーにも
「…A」
「…はい」
スクアーロがそっと様子を窺えばその指先は少し震えていた
それは寒さなのか、或いは
自分たちにできることといえば、
「…お前は今からキャバッローネの首領だ」
「…」
「…もう今までのような温い環境に身を置けなくなるのは確かだろう」
「…」
「気が狂いそうになるような光景を何度も見ることになる」
「…ちょっと、スクちゃん…」
「どんなに助けを求めてもお前には仲間がいないからな」
「…っ」
「スク隊長…！」
すっかろ肩を落とすAに幹部たちの痛い視線がスクアーロに集まる
「それでもな」
「…？」
「…俺たちはお前を助けると約束しよう」
「スクアーロさん…」
「困ったときは俺らを頼れ…、お前にはここしかないだろ…」
少なくともAはその言葉に嬉しそうな顔をした
自分たちも罪深き道を進む者
その道に来ることを拒まなかった自分らもまた
この少女の共犯なのだ
共犯なら共犯らしく、
最期まで道をともにしようじゃないか
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あいちか(プロフ) - 玲雪さん» はじめまして、いつもこの作品を読んでいただいてるということでありがとうございます、玲雪さんのようなコメントを頂けることはとても励みになりますので、これからもよろしくお願いします。 (2016年10月30日 10時) (
レス) id: 4b1aefde64 (このIDを非表示/違反報告)
あいちか(プロフ) - アキラさん» いつもコメントありがとうございます、やはり定職についてからの定期的な更新は難しくなっていますがやめる気は到底ないのでこれからもよろしくお願いします。 (2016年10月30日 10時) (レス) id: 4b1aefde64 (このIDを非表示/違反報告)
玲雪(プロフ) - はじめまして！いつも読ませていただいてます！この作品大好きです！更新頑張って下さい！！ (2016年10月18日 19時) (レス) id: 898d277df4 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - もうどんどん話が更新されて続きの話が気になってワクワクしてます！！これからも更新頑張ってください (2016年10月12日 0時) (レス) id: d018642a1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいちか | 作成日時：2016年10月10日 22時
