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それからしばらくして、キャバッローネの街には妙な噂が出回った
‟キャバッローネの初代の亡霊が街を守っている”
誰もが姿を知っていたわけではない
しかし、初代の髪は漆黒のブルネット、
そして今のディーノのように、モッズコートを羽織っていたといわれる
誰かがその姿を直に見たわけではない
しかし、キャバッローネの街がトップを失った今でも平穏を保っているのは、
時折攻め入ってくる他のファミリーの侵略を受けないのは、
初代がこの街を守っているからなのだと
その噂はすぐにディーノたちの耳にも届いた
「なあ、ボス…、あの噂のことだけどよ…」
「あぁ、実際にそうだとは思えねえが…、何かわかったのか？」
「いや…、すまねえが…」
「そうか…」
病室のベットの上でディーノは頭を抱えた
誰かがキャバッローネを守っている
しかしどこの誰かも全く分からない
部下を使ってその噂の真相を調べさせているのだか、どうにも不思議なことに、‟初代の霊”が現れたといわれる場所にすぐに駆け付けさせても、すでにそこにはなにもない、誰もいない
手がかりすらも何もないのだ
守ってくれる、それはとてもありがたいことだがどうも素直に受け入れることができなかった
それはおそらく、ベットを離れることができないディーノの最後のプライドだった
初代の霊？
そんなはずがないだろう
今まで何度も不思議なことを目の当たりにしてきたが、こう何度も起こり得ることではない
必ず人が絡んでいるはずなのだ
生きている誰かが
「…そいつが本当に味方とも限らない、できるだけ早くそいつを特定してくれ」
「ああ、わかった」
「すまねえな、俺がこんなだから」
「気にするな、あんたには休みが必要なんだと言っていただろう」
「…そうだな、ありがとうな」
「いいってことよ」
ディーノの心配をよそに街は湧いていた
‟初代がこの街を守ってくれているんだ！”
‟この街はこの後も安泰だ！”
毎日のように街は‟初代の霊”の噂に沸いた
それを遠くから眺めるものがひとり
‟しししっ”と耳慣れない笑いをたたえていた
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あいちか(プロフ) - 玲雪さん» はじめまして、いつもこの作品を読んでいただいてるということでありがとうございます、玲雪さんのようなコメントを頂けることはとても励みになりますので、これからもよろしくお願いします。 (2016年10月30日 10時) (
レス) id: 4b1aefde64 (このIDを非表示/違反報告)
あいちか(プロフ) - アキラさん» いつもコメントありがとうございます、やはり定職についてからの定期的な更新は難しくなっていますがやめる気は到底ないのでこれからもよろしくお願いします。 (2016年10月30日 10時) (レス) id: 4b1aefde64 (このIDを非表示/違反報告)
玲雪(プロフ) - はじめまして！いつも読ませていただいてます！この作品大好きです！更新頑張って下さい！！ (2016年10月18日 19時) (レス) id: 898d277df4 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - もうどんどん話が更新されて続きの話が気になってワクワクしてます！！これからも更新頑張ってください (2016年10月12日 0時) (レス) id: d018642a1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいちか | 作成日時：2016年10月10日 22時
