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「じゃA、とりあえず踊ろうぜ」
「は？」
ベルの突然の言葉にAは頭の理解が追いつかなかった
なんとか返せた返事はまるでベルに喧嘩を売っているような返事になってしまったが、ベルはそれをまったく気にしていないようだった
「どういうことですか、ベルさん」
「ん？そのまんまだよ、とりあえず踊るぞ」
「えっ」
いまだに理解の追いつかないAの思考を置き去りにしてベルはAの手を引きフロアの真ん中へと歩いていく
その時フロアには演奏隊のダンスミュージックが鳴り渡る
それと同時に数々のペアが手を取り合ってフロアの中央へと集まってくる
「ベルさん、私ダンスは全く…」
「いいの、俺にまかせといて、Aには話さなきゃいけないこともあるから」
「？」
「ボスがAをここに連れてきた理由だよ」
やけにその言葉がAの脳裏に響いた
「ベルさん…」
「時間がないから手短にね、あまり長く一緒にいてボンゴレにばれてもまずいし」
ベルはAに向き合い改めて手をとるとフロアの上を音楽に合わせて回りだす
「うん、そう…、次はターンね」
「…っ」
「そうそう、うまいじゃん」
「まぁ、なんとか…」
ダンスなんて、初めてだった
何度かキャバッローネ邸でもパーティーが開かれているのは知っていたが、まともに参加したことなどないAは、ダンスのダの字も知らなかった
普通の同じ年頃の女の子が身に着けているようなことなど何も知らなかった
ベルに手を引かれて踊って見せる姿はなんとも稚拙で無様だっただろう
しかし、ベルはそれを笑わず、付き合ってくれ、Aのステップをリードし、うまくついてこれれば褒めた
それが一瞬だったとしても、
「ベルさん…」
「ん？」
「ありがとうございます…」
「しししっ、気にすんなよ」
Aにとってそれはうれしかった
誰も自分を普通として扱わない中で初めて自分を普通として扱う人と巡り合った
真意は違った
今まで周りが彼女を普通として扱えなかっただけなのだ、あまりに大人びていたために
彼女が欲するものを与えられなかった彼らは彼女を放棄してしまった
彼女が強さを得たときに、ようやく彼女は普通になれたのだ
この世界で生きていく強さを伴って
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あいちか(プロフ) - 玲雪さん» はじめまして、いつもこの作品を読んでいただいてるということでありがとうございます、玲雪さんのようなコメントを頂けることはとても励みになりますので、これからもよろしくお願いします。 (2016年10月30日 10時) (
レス) id: 4b1aefde64 (このIDを非表示/違反報告)
あいちか(プロフ) - アキラさん» いつもコメントありがとうございます、やはり定職についてからの定期的な更新は難しくなっていますがやめる気は到底ないのでこれからもよろしくお願いします。 (2016年10月30日 10時) (レス) id: 4b1aefde64 (このIDを非表示/違反報告)
玲雪(プロフ) - はじめまして！いつも読ませていただいてます！この作品大好きです！更新頑張って下さい！！ (2016年10月18日 19時) (レス) id: 898d277df4 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - もうどんどん話が更新されて続きの話が気になってワクワクしてます！！これからも更新頑張ってください (2016年10月12日 0時) (レス) id: d018642a1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいちか | 作成日時：2016年10月10日 22時
