stage7 ページ7
「紅茶は飲める？今まで全てのプログラムをクリアしているようだから特別ご褒美だよ」
「…」
「あれ？紅茶は苦手かい？」
「…」
「クッキーもあるよ」
場所は変わってここは白蘭がほぼ自室として使っている謂わば�狠模端辞�
テーブルには華やかなものから大量生産されるものまで、様々なメーカーのお菓子が置かれ、白蘭はその光景に心が躍る
対面に向かって座る白蘭は身体を前のめりに、テーブルにまで身を乗り出すようにして、一面に広げた自分の好きなお菓子を端からこぞって勧めるも、その子は頑なに首を横に振った
無口なのかそれとも何か意図があって黙っているのかは分からないが、先ほど発した言葉の一打はそうとうなもので、「あはっ、君って面白いね」などと言って笑みを浮かべたが、周りはその場に漂う重く冷たい空気に息が詰まり�爐發ζ┐化个靴討靴泙い燭き瓩覆匹斑�もが思った
「…で、本題だけど、君はどうしてコレを全部クリア出来てるの？」
そういって取り出した報告書をテーブルの上にスッと投げる
彼女は自分の目の前に置かれたその書類を上から下まで、まじまじと見つめていた
「これ、そんなに簡単なゲームじゃないと思うんだけど」
視線の間に割って入るように、その書類の上に指を伸ばし、その項目を一つ一つ横になぞっていき、[CLEAR]の文字をさっと囲うようにすればその瞳がくるっと一回りして、ゆっくりとこちらを見上げる
「偶然とは思えないんだ」
「…」
「悲鳴を上げて精神崩壊するような人もいる中で君だけなぜ平然と淡々とクリアできる？」
「…」
「…また、だんまりかい？」
じっと目を合わせていても逸らそうともしない、その表情からは読み取れないけど、きっと頭の中で何か思考を巡らせているんだ
まるでそう、ロール・プレイングゲームの中にいるような感覚
ぞくぞくするような高揚感が身体中を駆け、次は何を言おうかな、どんな表情をするのかな。なんて思っていると、突然、君はゆっくりと口を開く
「…以前にも似たようなゲームをやったことがあります」
「…え？」
「だから、以前にもやったことがあるからです」
その瞳に嘘はないと心が直感した、だからこそ、嘘でないからこそ、必然と沸く疑問がある
やったことがある？
やったことがあるだって？
「…そんなこと、ありえるはずがないよ」
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作者名：あいちか | 作成日時：2020年9月12日 21時
