stage22 ページ21
入江は白蘭に促されるまま執務室の椅子に腰かけると白蘭は口を開き、彼女との出会いからこれまでに起こった不可思議なこと、そして気づいたこの
「この
「…？」
これまで数多ある世界を制してきた白蘭の最後の目論見を知っている彼は、長年白蘭が悩んできた問題を解決する糸口が見つかったという話がいまいち理解できず首を傾げた
しかし、その様子も白蘭は納得できた
自分も動揺するほどに、不可解なことが起きているのだ
彼女が現れてから、
この
その原因はおそらく―
「きっと何かあるんだよ、力を発揮させるための、じゃなきゃこの
「…」
「僕は確信してるんだ、あの子と会ってようやく次のステージへと進む
「…でも、トゥリニセッテが力を発揮するためには彼女が必要になる…？そんなことがありえるのか？…第一、あの子はたまたまここに収容され被験体に選ばれた、…ただの女の子だ」
「…たぶん直接は関係ない、でもあの子が来て何かが変わった」
「…」
「…何かバグが起こっちゃってるのかな、それかどこかにきっと隠しコマンドのようなものがあって…、あの子をきっかけに動き出したのかも…」
顎に手を添え空想にふけるように宙を泳ぐその目は全く笑っていない、そういう時は必ずこの男は不穏なことを考えている、と経験上知っている入江は良からぬことが起きるのではないかと案じ、ひとりこっそりと額に汗を浮かべた
「あの子はきっと相当レア度の高い子だ、…それにかなり賢い、だから今後何をしでかすか分からないよねぇ」
「…白蘭サン、まさか」
「ん？」
入江はとっさに口を結んだ、こちらに向く笑顔はまるで仮面のような嘘の笑みで、これ以上何も言うことは許されていないと気づいた入江は、そっとその首を垂れた
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作者名：あいちか | 作成日時：2020年9月12日 21時
