27 乙女の柔肌 ページ32
「さぁさ、潤坊、ちょっと向こうを向いてな。
この子の襟元をちょっとくつろがせてやるからよ。
このままじゃ、息が苦しいだろうからね。」
長年働きづめで節くれ立ったおツル婆ぁの手が
昏々と眠り続ける少女の胸元に伸びる。
無言で頷いた潤之進は
乙女の柔肌を見ないように横になった少女に背を向けたのだが
すぐに
おツル婆ぁが
ひゅっと息をのんで驚いたのが
気配で分かった。
「･･じゅ、潤坊･･？」
割れ鐘のようなおツル婆ぁのしわがれ声が
力なく震えている。
いつも強気のおツル婆ぁに似合わぬ
かすかなつぶやきに
異常を感じ取った潤之進が
肩越しにチラッと目だけで後ろを伺うと
よっぽどびっくりするようなことがあったのだろう
おツル婆ぁが
歯のない口をまるで金魚のように開けたり閉じたりさせるばかりで
言葉が出ない様子。
「どうした？」
美しく整えられた眉をしかめて尋ねる潤之進に
おツル婆ぁが
ゴクリと喉を鳴らしツバを飲み込んでから
「･･いや、ちょ･･っ、これは･･、どう･･いう･･？」
ようやくモゴモゴ喋りだしたが
どうにもはっきりしない。
「なんだよ、はっきり言えよ。」
少々苛ついた潤之進が
体の向きごとぐるっとかえて振り返ると
すぐ目の前にいる枯れ枝のようなおツル婆ぁの姿を飛び越して
後ろに横たわっている少女の
はだけられた白い胸元が目に飛び込んできた。
今まで
女遊びも派手にしてきた潤之進だ。
今さら女の胸をチラリと見たぐらいでは
驚きもしないし慌てもしない。
でも
それは言うても玄人の女達のこと。
そんな遊び慣れた女達とは違って
今、潤之進の目の前にいるのは
年の頃なら１４，５の
花も恥じらう正真正銘乙女なのだ。
誰にも触れられたこともないだろう
その柔肌がさらけ出されている。
一瞬
見てはいけないものを見てしまった！
と
思った潤之進。
目をそらそうと思ったのだが
おツル婆ぁのシワだらけの手と違って
少女のなめらかな白い肌から
もう潤之進は目が離せない！
無言のまま
潤之進の目は
少女の細い首筋から
くっきりと浮かび上がった鎖骨
そして
その下の
大きくはだけられた少女の胸元へとたどってゆく･･。
思わず触れてみたくなるような
きめの細やかなその肌･･
その先には
密を含んだ白桃のように瑞々しい乳房が
恥じらいをまといながら
ふっくらとふくらんでいる･･
はず････
なのだが･･････
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作者名：はっしー
作成日時：2018年5月16日 0時
