とある工業高校のおはなし ６（業務連絡♪）

37　大野の過去 ページ37

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「１年生の時に
河川敷で暴走族と大喧嘩して最初の無期停学。
その年の冬休みに
中型バイクの免許を無許可で取得して
夜中に暴走行為をして２回目の無期停学。」

校長は
指折り数えながら
大野の過去の行状を述べた。





大野は
まるで他人事のように
しれ〜っとした顔で
その話を黙って聞いている。


その横では
櫻井が心配げに眉をしかめて
校長の顔を
ジイ‥ッとみつめている。






「２年生の時には
大きな事件を起こしてないけど‥
いろいろ細かいことをしているようですね。
ね、長瀬先生？」

いきなり
校長が俺に話を振ってきた。





「は、はあ‥。
確か
喫煙同席２回、無許可でバイトをしていたので校長訓戒１回
あとは‥‥。」

と
その後の言葉が続かない俺。



あとは‥
忘れた訳じゃないんだけどぉ‥



いやあ〜‥
大野があと、何をしたのかっていうのも
憚られる訳よ、これが！

俺が
頭をガシガシかきながら
どうしたもんかと口ごもっていたら

３年学年主任で建築課主任の内田先生が
なにがそんなに楽しいのか分かんないけど
満面の笑みで

「長瀬先生、忘れたんですか？
ほら、あとはあれですよ！
自転車でのスピード違反♪」

と
楽しそうに言った。


「はあっ？
スピード違反‥って、バイクとかじゃなく？」

真面目な電気科主任の小笠先生が
思わず身を乗り出して
内田先生に聞き直した。


内田「バイクとか車じゃなく
自転車！
チャリンコ！」


うっれしそうに笑ってる内田先生の言葉に

「じ、自転車で‥、ス、スス、スピード違反？」

小笠先生が
びっくりして
眼を白黒させている。



内田「こいつね
学校近くの農免道路で
車と競争してね
警察に補導されて厳重注意されたんですよ♪」

小笠「へぇえ〜？！
く、車と競争っ？！」

科が違うから
小笠先生は大野の罪状など覚えてなかったようだ。
内田先生の言葉に
ただただびっくりしている。


内田「去年のね、夏休みに
農免道路のあのずーっと続く直線で
自動車と並走してるところを警察にとっつかまったんですよ。
ね、長瀬先生♪」

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