とある工業高校のおはなし ６（業務連絡♪）

21　マイナスイオン ページ21

廊下のゴミを
きれいに片付けた梅ちゃんは
箒を持つ手を止めて
二宮に向かって
深々と頭を下げた。

梅「あ‥、どうも。 ‥ 梅野です。」


そんな梅ちゃんに
二宮は
オタオタしつつも

「あ‥、ども。」

ペコッと首だけであいさつを返した。

なんか
ぎこちないなぁ〜。笑





まっすぐ姿勢を正した二宮は
梅ちゃんを
まじまじと見つめた。

人と眼をあわせるのが苦手な梅ちゃんは
居心地が悪そうに俯いてしまったんだけど
二宮は
ちょっと首をかしげてこう言った。


Ｎ「‥な、なんか、すごく、貫禄？ あるよね。」



梅「‥はあ、よく言われます。」

梅ちゃんは
静かにうなずいた。





梅ちゃん本人の同意を得て
心強くなったのか
二宮は言葉を重ねた。



Ｎ「うん
もう子どもが２，３人いるって言われても
納得しちゃう落ち着きがあるよ。」



その言葉に
にこりともせずに梅ちゃんは返事した。

「 ‥ よく、言われます。」






なんなの？

この二人

なんか
ぎこちなさ過ぎて、笑えるんですけど。



などと
一人思っていたら‥



「うん
梅ちゃんは
中小企業の社長の風格があるよね〜♪」

ふにゃんっとした声がして
ぎょっとした。


ふりかえると
そこには
白Ｔシャツに
濃紺の３年ジャージの裾を膝までまくり上げた
大野さんが立っていた。





「お、大野さんっ！」

声をそろえて大野さんの名を呼んでしまった
俺と二宮と梅ちゃんの３人は
思わずお互いに顔を見合わせてしまった。



「おう♪」

大野さんは
相変わらずのふわんとした笑顔を浮かべ
軽く右手をあげた。





Ｏ「松本くん
今朝
電話くれてたのに
でれなくてごめんよ〜。
全っ然
気がつかなかったよ〜。」(ﾆｺﾆｺ)



はぁ〜
この笑顔、癒やされるわ。

昨日
本田を蹴りまくってた凶暴な人と
同一人物とは思えない。





その時すかさず

「大野さん
一人で起きれるじゃないですか！」

二宮が割り込んできた。




Ｏ「起きれたねぇ〜。」

って
大野さんはニコニコ笑ってる。


Ｎ「それなのに
まーくんに起こしてもらおうとしたなんて！」

二宮が
大野さんに文句を言うと

「いや、相葉くんに限らず
二宮くんの可愛い声で
起こしてもらうのでもいいんだけどな♪」

大野さんは
極上の笑顔で答えた。





Ｎ「///む、無理です！///
俺、野球部の早朝練習があるから！」




おいおい
二宮‥

お前、なに赤面してんだよ。笑

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