645 潤雅(1) ページ25
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このやりとりを
さすがに
長老と滝沢の二人は知らない‥。
「こ‥、婚礼の儀に
さん‥れつ‥したいもの‥、じゃ‥。」
濁った眼で
遠くを見つめる長老に
滝沢が
「そうですね。」
微笑みながら頷いた。
「‥ひ、ろまさ、殿も‥、喜んで‥、おら‥れた‥の。」
「ええ、とても‥。」
潤雅は
相変わらず追捕使として
地方の治安維持のため
忙しく各地を飛び回っているのだが
ついこの間
瀬戸内の海賊がまたぞろ活動しだした、という噂を聞き
見回りついでに
仁宇の郷に立ち寄ってくれたのだ。
「‥元‥気、そうだった‥のう‥。」
「ええ‥。」
目が見えない長老ではあったが
潤雅の様子は分かる。
長老の目には
艶のある紫色の光として
潤雅の姿が見えるのだ。
「でも‥、そろそろ追捕使の仕事も
引退を考えられた方がよろしいのでは？
なんと言っても、危険ですし‥。」
滝沢の言葉に
長老は、ははっと笑い飛ばした。
「まだ‥まだ‥、大丈夫じゃ。
あの‥、御方‥には
あの不‥思議の‥、白‥い、手が
つ‥、ついて‥お、るから、の‥。」
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・
「潤雅様っ！
西から接近中の船は
長弓隊が乗ってます！
弓が見えます！」
スバルが
追捕使本船の物見櫓から
船の舳先に立つ潤雅にそう叫んだ。
「なにっ？！ 生意気な！
俺に対抗する気か？！」
たちまち弓が得意の大倉が気色ばんだ。
その大倉を
すぐにマルとヨコが茶化す。
ヨコ「たっちょん、なめられたもんやな〜。」
マル「命中精度はすごいけど
長距離は大したことないって言われとるんと一緒やん？」
「なんやてっ！」
なめられたと言われて
むき〜っ！ってなった大倉が
すぐに愛用の弓に矢をつがえた。
その大倉を
「待て、大倉。」
潤雅が
低く落ち着いた声で制した。
潤雅は
自分のすぐ側にしゃがみ込んでいる子どもに
「オト丸よ
あの船に乗っている者たちの声
聞き取れるか？」
声をかけた。
そう、この子どもは
あの異形の子ども・オト丸だ。
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asami(プロフ) - 一気読みしました、面白かったです。優美な平安貴族雅紀さんも、海で暮らすうつほもどっちも好きです！個人的には潤雅が好きです。何はともあれ幸せに終わって良かった！！ (2020年4月12日 19時) (
レス) id: 58c67b34bd (このIDを非表示/違反報告)
はっしー(プロフ) - がっはさん» あやかしを読んでくださって本当にありがとうございます！ものスゴく嬉しいです！こちらを書き上げてしばらくぼんやりしてたのでコメいただいてることに気づくのが遅くなってごめんなさい。読み返すだなんて、もう泣きそうです。ずっと緑さんを応援しましょうね。 (2017年9月18日 9時) (レス) id: c6f10b192f (このIDを非表示/違反報告)
がっは(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました。終わってしまうのが寂しいです。きっとこれからも何度も読み返すと思います。これからも緑愛に溢れた作品期待しています (2017年9月3日 6時) (レス) id: c4dbbce966 (このIDを非表示/違反報告)
はっしー(プロフ) - けめさん» 本当に感謝の気持ちでいっぱいです。最後まで書けて良かった。けめちゃん、ずっと見守ってくれて本当に本当にありがとう！けめちゃんにコメもらえて本当に嬉しいです。ありがとう！！ (2017年8月29日 22時) (レス) id: c6f10b192f (このIDを非表示/違反報告)
はっしー(プロフ) - けめさん» けめちゃん、私にとってこのお話は特別なものです。何で特別なものかというと、長い間あたためてきたからというだけでなく沢山の方に応援していただいて書き上げられたお話だからです。応援してくれた人の一人がけめちゃんです！けめちゃんの言葉にどれだけ励まされたか (2017年8月29日 22時) (レス) id: c6f10b192f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はっしー
作成日時：2015年3月24日 2時
