193 雅紀・・・ 2 (3/13) ページ4
「ね‥、マル。」
馬上で
マルの胸にもたれながら
甘えたさんの声で雅紀がたずねる。
「ん〜？」
間延びした声でマルは答えるが
馬を操る手綱さばきと目配りには
寸分の隙もなかった。
「・・・あの、ね？」
疾駆する馬上の揺れは激しく
体は大きく上下にはねる。
「まー？
あんましゃべると、舌かむぞ。」
マルにそう言われて
雅紀は
パッと自分の口を手で覆った。
その仕草が
なんとも言えず可愛くて
マルは
だらしなく顔をにやけさせてしまう。
「ふふふ‥
まー、ゆっくりしゃべりな。
なに？ なんか質問？」
風のように馬を駆けさせながら
マルは
腕の中の雅紀をのぞき込んだ。
「あの、さ‥。
こないだ海賊と戦った時・・・」
また、大きく体が揺れ
そこで息を継ぐ雅紀。
「海賊の中に‥
僕と‥、そっくりな奴 ・・・ いた？」
「へっ？ まーとそっくりな奴？」
マルは
自分にもたれている雅紀の体が
ちょっと強張ったことに気づいた。
「えー？ そんな奴、おったかぁ？」
首をひねり
マルは自分の横を並んで駆けるスバルをちらっと見た。
スバルは
内心、ドキッとしたが
そんなことは、おくびにも出さず
「知らんなぁ‥。」
と、とぼけた。
スバルの返事を聞いて
マルは、ニコッと笑った。
「な、見てないよな。
千里眼のスバルも見てないんや。
そんなん、おらんかったんちゃうか？
それに
まーとそっくりな奴なんて
俺が見逃すはず、ないやろ♪」
手綱を持ちながら
マルは
雅紀の頭に自分のおでこを
コツンと当てた。
雅紀は
唇をとがらせて、どこかすっきりしない顔。
スバルは
馬上で風を切りながら
きゅっと唇をかんだ。
本当は
まーとそっくりな奴はいた・・・。
あの時
海賊どもを助けに
あとから、あやかしと共にやってきた・・・あいつ。
目をつぶれば
あの時のことが
まぶたの裏に
はっきりとよみがえる。
細くて長い手足を
惜しげもなくあらわにし
水でできた山犬の背に乗ってたあいつ・・・。
俺と潤雅様の頭の上を
軽々と
飛び越していった。
マルたちは
戦闘の真っ最中だったから
たぶん見ていない。
あいつは
本当に、まーとそっくりだった。
潤雅様も
思わず「雅紀っ！」って叫んでたぐらい・・・
本当に
まーと
・・・そっくりだった。
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はっしー(プロフ) - アリスさん» 辛かった、この第５章、終わらない〜っ、書けない〜って恐怖だったけど、書いていればいつかは終わるんですね・・・。マルも辛いけど、ヒナが気の毒で・・・。嫌な役回りをさせちゃったなって私も思ってます。こんな辛い話、ここまで読んでくれてありがとうございます！ (2013年4月15日 22時) (
レス) id: 2b7e3a8d8f (このIDを非表示/違反報告)
はっしー(プロフ) - ねこまるさん» ねこまるさん☆せっかく遊びに来てくれたのに第５章終わっちゃいました。でもね、智とうつほは今頃何をしてるのか？うつほと雅紀は会えるのか？二人の生い立ちの秘蜜は？櫻井帝の孤独は癒やされるのか？問題山積なのでございます。でも、頑張るのでまた読んでください！ (2013年4月15日 22時) (レス) id: 2b7e3a8d8f (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - こんにちは☆はぁ〜・・・。もう、なんだか、苦しくなって、なのに何度も読み返してしまう自分がいます。そして、マルくんとヒナを見ると、ついつい、このお話の中での役を思い浮かべてしまって(^_^;)辛い思いの潤雅様・・・。はぁ〜・・・。辛いです・・・。 (2013年4月15日 17時) (レス) id: 290a5b010d (このIDを非表示/違反報告)
ねこまる(プロフ) - ドラマチックでﾄﾞｷﾄﾞｷします！雨、風、雷、迫ってきました！勢いのある物語が目の前で繰り広げられて、平安にﾜｰﾌﾟ！とっても贅沢な気分です。続きを楽しみにしています♪ (2013年4月15日 16時) (レス) id: d2e1456047 (このIDを非表示/違反報告)
はっしー(プロフ) - MakIさん» MakIさん、コメありがとう。どうしよう！っていう展開に自分でも焦ってます。そ、それから‥、明日のVS、ヤバい！ヤバいよ！ど、どうしよう！そんな馬鹿な！過呼吸になりそう！まさか、地上波でそんな‥、ありえない！んぎゃーーーーーっ！とりあえず、明日見てみます。 (2013年4月3日 22時) (レス) id: ffd063135a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はっしー
| 作成日時：2013年3月10日 15時
