51話 ページ3
J side
扉を開ければ、まぁは手すりに座ってた。
J 「おい！まぁ！危ねぇぞ！」
って、思わず声をかけてしまった。やべぇ...。
まぁもびっくりして俺らを見ている。
A 「なんで...。」
Ｓ 「生田先生に言われたんだ。雅紀の様子を...
見てきてくれって..。」
O 「あーばちゃん。何を見てるの？」
大野さんが雅紀に問いかけた。あれ、さっきまで
弱気だったのに..。
A 「景色」
O 「嫌いじゃなかったの？この景色が。」
A 「嫌いだよ。汚いものにしか見えない。
でも、先生達は今でもキラキラしてる。
先生達言ったよね？俺がまだ子供だから
この街の、世界の素晴らしさを知らないだけ
って。だからちゃんと考えてみることにしたの。
ちゃんと見て考えて、綺麗なところを探して
みたの。でもやっぱりわかんない。
自分の過去がこの街を、世界を、人を汚く
写してしまってるからどうすることも
できない。だけど、先生達はキラキラして
見える。先生達との関わりを消した日から
いつも浮かぶのは先生達が笑ってる顔、
助けてくれた時の必死な顔、
俺の過去を知った時の悲しい顔、それしか
浮かんでこない。忘れようと決めたのに、
全然頭から離れない。平穏を取り戻したのに
なぜか寂しいだけ。俺の世界は斗真くんと
あきさんだけで十分だったのに、寂しい。
でも、分かんないふりしてるだけだって
今、気づいた。先生達の顔をみて気づいた。
先生達に出会ったあの日から俺の人生には
先生が必要だったんだって。
平穏は、空っぽで虚しいものだって。
今さらだけど気づいた。
約束を持ちかけたのは俺なのに、
その約束を、俺が悔いてる。
先生、俺どうしたらいいの？｣
そういって、まぁは涙を静かに流しながらゆっくり
振り向いた。その瞬間俺達は一斉に駆け出し、
雅紀を手すりから下ろして抱きしめた。
O 「おかえり、あーばちゃん。
その言葉を待ってた。」
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あーば - めっちゃよかったです (2018年8月26日 19時) (
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作者名：幸 | 作成日時：2017年5月4日 12時
