崩される日常 (ページ50)

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48話ページ50

Ｓ side

A 「俺は当初中学は公立だった。

でも、俺を引き取った親戚は私立の中学へ

行けと言った。そこで進められたのが

【聖良学園】だった。全国トップの中高一貫

の学校。そこは全寮制。俺は手放されたも

同然だった。まだ3ヶ月も通ってない公立の

中学から親の遺産で聖良学園へと転校した。

そして、さっき来たあの３人と出会った。

あの3人は自分の家が資産家だからって

転入早々俺をバカにしてきた。

どっから仕入れてきた情報なのか、

俺の両親の仕事と亡くなった事を知ってた。

最初は罵倒されるだけだったけど、

初めてあった試験で俺が学年1位をとった

ことをきっかけに、暴力を受けるように

なった。あいつらは俺を苦しめて自分達が

勝ったように錯覚してた。でもその錯覚は

毎回試験の結果で掻き消され、現実へと

戻される。その屈辱にあいつらは耐えられ

なくて、行動はエスカレートする。

気持ちは分からなくはなかった。でも、

俺はあいつらより何百倍も痛めつけられ、

苦しんだ。中１から中3までの長い、長い

２年間を。そして、俺の背中に一生消えない

傷を刻みこまれたあの日あいつらから俺は

ようやく解放された。でも、俺はその時

すでに身も心もボロボロで病院へ入れられた。

何もする気力が起こらない。

生きてたってしょうがない。そんな思いに

浸る以外どうしようもなかった。でも、

その時助けてくれたのは、俺の手を握り、

救い出してくれたのは、斗真くんだった。

斗真くんは養護教諭になって、

『俺の赴任先の学校に来ないか？
お前の頭なら編入試験も合格できる。
保健室登校が認められてる今、お前には
それが適応されると思うんだ。俺にお前を
守らせてほしい。今まで放ったらかして、
お前が1人で苦しんで、痛みに耐えてた事に
気づかなかった報いを受けさせてほしい。』

そう言って俺に居場所をくれたの。

俺をその言葉を信じて斗真くんについていく

ことにした。
」