３ ページ5
『お兄ちゃん……』
これは夢。
恐らく、萠紅が見せている。
真昼との、記憶。
『私……グレンに嫌われないかな?
こんな、バケモノ……嫌うかな?』
『馬鹿。その、グレンが
本当にお前の事好きなら、嫌わねぇよ』
そう言うと真昼は微笑む。
『お兄ちゃんは、優しいね』
『あいつより格好いいしな』
『グレンよりは格好よくないよ』
『そこは嘘でも言えよ』
『言えないほど、彼は格好いいの』
グレンの話をしてる真昼は、
とても幸せそうだった。
『あ、お兄ちゃんは?』
と、真昼が聞いてきた。
『何がだ』
『ほら。グレンと同じ、一瀬家の……』
一瀬家、嗚呼そうだ。昔は
三葉の前に……。
『一瀬カスミ、お兄ちゃんの
彼女の事よ』
カスミと言う恋人がいた。
グレンの姉の。
＿＿A様
だが、彼女は死んだ。
真昼と一緒に……
＿＿A様
世界が……破滅した日に。
「A様!」
「………」
目覚めると、目の前に
三葉がいた。
「今日は幹部会議です。
早く、行かないと」
……目覚めたくなかったな。
父上には、会いたくないのに。
「わかった」
「……あの、嫌なら……」
「行かないと、駄目だろ」
きつく言ってしまった。
三葉の眼が、波打つ。
「すまない。当たってしまった」
「い、いえ!それでは、
いってらっしゃいませ」
分かりやすい嘘をつくが、
言っても、また嘘をつくだろう。
ここは早く行こう。
＿＿＿と、このように……
会議で色々発表してるのを
聞きとめはし、聞き流す。
「A。ちゃんと聞いているのか」
そこで、父上から言われた。
「聞いていませんが。
昨日疲れたので」
そう言うとグレンが目の前で、
三葉……と、哀れむような声で呟いた。
「お前は真昼の代わりだ。
もし裏切れば……」
「はは。裏切りませんよ、
裏切って、なんになると言うのです」
暫しの沈黙の後、
また発表が続けられた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暁の雨 - クッキーさん» ありがとうございます!不潔で面白くないかな、と思いましたが。救いの女神!更新頑張りますね!! (2017年3月11日 10時) (
レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
クッキー(プロフ) - とても面白いです！！！！！ 更新頑張ってください^_^ (2017年3月10日 19時) (レス) id: e81086d7ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
