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三葉side
「………」
自室に閉じ籠り、頭の中を整理していた。
____あいつを救えるのは俺だけだ!!
……一瀬カスミがシノアの姉、柊真昼と共に死んだと思われていて、A様は落ち込んでいた。
それなのに、カスミさんは生きていた。吸血鬼として。
この事がA様達以外の、柊の人間にばれたら、間違いなく処刑される。
だから救おうと……
「あああっ!まったく、なんなんだ一体!」
そう叫びあたしはベッドに倒れ込む。それから枕に顔を埋める。
そして言う。
「……どうして、あたしは遅く逢ったんだろう」
と。
すると眠気が襲ってきた。
逆らうのも、面倒だ。眠ってからまた考えよう。
そう思い、あたしは寝た。
____三葉。これからお前は柊真昼様の兄、柊A様に仕えるんだぞ。
これはあたしが小さい頃。
A様に仕える前、あたしはまだ十二歳だった。けれど、
三宮家として恥じぬように、頑張った。姉さんに認めてほしくて。
やっとその努力が意味あってくれる。
「天利様と話してくる。ここに、A様がいるから、挨拶しておきなさい」
「はい」
あたしは父にそう言って、部屋の扉を開けた。そこには
椅子に座って、窓の外を見ていた。
美しい。
「……誰だ?」
そんな事を考えていると、声を掛けられた。
「は、はじめまして!三宮三葉です!これからA様に仕えさせていただく……」
「……聴いていないが」
「え?ですが……」
聴いているはずだ。従者になるのなら、先に言われているから。
そこでA様はため息をついて、
「父上か……」
といった。
「あの……えっと、宜しくお願いしま……」
「俺はお前を認めない」
「……!」
誰よりもその言葉が嫌いで、ぐさっと刺さった。
認めてほしくて努力して、このお方に仕えられるようになれたのに。
認めないと。
「………」
それでも、あたしは柊A様の従者に任命されたんだ。
仕事をしなければ。
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暁の雨 - クッキーさん» ありがとうございます!不潔で面白くないかな、と思いましたが。救いの女神!更新頑張りますね!! (2017年3月11日 10時) (レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
クッキー(プロフ) - とても面白いです!!!!! 更新頑張ってください^_^ (2017年3月10日 19時) (レス) id: e81086d7ab (このIDを非表示/違反報告)
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