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《萠紅》は嘘をついていなかった。本当に、カスミは生きていた。
貴族らしい服を身に付け、その場に立っていた。大勢の同胞を連れて。
「一瀬カスミ!?」
「え?」
シノアがそう言ったのを三葉は聞き逃さず、俺に視線を向けてきた。
俺は《鬼呪》を出した。二本のライフルドマスケットを手にし、言う。
「カスミ。生きていたのか」
「……ええ。グレンは元気?」
「ああ。だが、真昼に苛められている」
「そう、やっぱりね」
カスミは真昼と共に組んでいた。だから、《鬼》になった事も知っていたんだろう。それよりも、
「俺はお前を殺しに来た」
と言うのに、カスミは目をほんの少し見開き、表情をもとに戻した。
「普通は殺さないんだけどなぁ。
本当にグレンそっくりだ、あはは」
「……お前は相変わらずだよ。
気味が悪りぃくらいに、真昼にそっくりだ」
お互いに似た者同士だ。
カスミは剣を抜いた。俺を見て、言う。
「じゃあ私は殺されないよう抵抗しなきゃね?
……剣よ、私の血を吸いなさい」
剣から荊が生え、彼女の腕にギュルギュルと絡み付いて、血を吸う。
刀身が紅く煌めく。
「あいつは俺が殺る。シノア、こいつらを頼むぞ。雑魚を片付けてくれ……目障りだ」
「わかりました。どうか、死なないでください」
そんな言葉にはっと鼻で笑った。
シノアが心配するとは……
あの、優とか言う男の影響なのかね。
闘うシノアの背中を見て微笑んだ後、カスミに目を向けた。
「殺すのに、躊躇はもうしてくれないのね」
悲しげに言うあいつの顔を見て、迷いが出たが。それを振り払い、俺は
「《萠紅》。俺に力を貸せ」
《ええ。好きなだけあげるわ》
と言うと、力や呪祖が身体を廻り始める。
すべてに敏感になった。
そして銃を撃つ。深夜とは違い、狼が出る。何匹も無数の狼が、カスミを狙う。が、
カスミはそれを斬る。
華麗に……舞うように。闘う姿も、やり方も何もかも真昼だ。俺はシスコン……なのだろうか。真昼に似ていて、攻撃が鈍る。
カスミはそれを見抜き、言ってきた。
「真昼ちゃんに似てるからって、攻撃を鈍らせないで。
強くなった、貴方が見たい」
そう言うカスミは、嘘を付いているようには、見えなかった。
だから期待に応えよう。
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暁の雨 - クッキーさん» ありがとうございます!不潔で面白くないかな、と思いましたが。救いの女神!更新頑張りますね!! (2017年3月11日 10時) (
レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
クッキー(プロフ) - とても面白いです！！！！！ 更新頑張ってください^_^ (2017年3月10日 19時) (レス) id: e81086d7ab (このIDを非表示/違反報告)
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