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「………」

夢。いや、自分の心の世界。どす黒く、自分の身体が見えないほどの……汚れたその世界の中心に

《萠紅》。俺の鬼。

「久し振りに苛めようってか」
《そんなとこ……かしら》

《ねぇ。覚えてる?私達がはじめて出逢った時の事を》

覚えていないわけがない。

真昼と同じように、シノアと同じように、俺は実験体の成功体の一人だ。

《鬼》が混じった《鬼》の子。

最初に俺が夢を見始めて、次に真昼が夢を見た。俺は危ないと危険を察した。だから資料を漁って調べた。

俺達は実験体だったと言う事に。

最初はそれを誰にも言うなと言った。だが、真昼は勘が鋭い。俺を問い詰めて、知った。

だからシノアの《鬼》を喰った。
俺の弱さのせいで、あいつは破滅した。カスミと共に。

そこで、《萠紅》が言った。

《そうそれ。そのカスミっての》
「それがどうした」

《彼女……死んでない。》

俺は少し動揺し、そのあと冷静さを取り戻した。それから聞いた。

「どう言う事だ」


《吸血鬼になってる。》

「つまり、誰かに吸血鬼にされたと」
《その誰かが気にならない?》

これは鬼の誘導尋問だろうか。気になると言えば、それは欲だろう。

知識欲か、私利私欲か、知りたいと言う欲か。

だがそれでも……俺は。

「気になる」
カスミを助けたいから。

《萠紅》が目を細めて、そう、と言った。そして言う。

《第七位始祖……フェリド・バートリー》

「あいつか……」

そうとう上位じゃねぇか。まるで、真昼がまだ生きているように感じる。

やはり


「殺さないと……駄目だろうか」

《……それ、鬼の私に聴くの?》
「確かにな」

だが、殺さないと駄目だろう。彼女も裏切っている。真昼に手を貸した。他の誰かに殺されるくらいなら、自分の手で殺したい。

自分の手で……救いたい。

「いつ会うかとか、わかるか?」
《うーん》

《近々ね。捕まっている人間を解放する命令が三葉達に出るから、その時に会うかもしれないわよ》

___なら俺も行こうか。

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設定タグ:終わりのセラフ , 三宮三葉、恋愛 , 柊真昼、双子   
作品ジャンル:アニメ
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暁の雨 - クッキーさん» ありがとうございます!不潔で面白くないかな、と思いましたが。救いの女神!更新頑張りますね!! (2017年3月11日 10時) (レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
クッキー(プロフ) - とても面白いです!!!!! 更新頑張ってください^_^ (2017年3月10日 19時) (レス) id: e81086d7ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁の雨 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2017年3月7日 20時

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