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そう言い放つと、私の手を取り歩き出した。




『え、テヒョ』





「いいから来い」





そう言ってぐんぐん人混みをかき分ける。





...テヒョン、まだ怒ってるのかな。





迷惑をかけてしまった申し訳なさと、不安でいっぱいな私は、黙って彼についていく。









だいぶ歩いて人の少ない所まで行くと急に手を離し、彼が振り返った。




『...テヒョナ?』





おそるおそる彼の顔を見上げると、ニーッと笑ってみせる彼。



そして、ぎゅっと私を抱きしめる。




「ごめんね、一人にさせちゃって」




『え?』




「怖かったよな、ごめん」





そう言って謝る彼の声が耳元に響く。




ぎゅーっと抱きしめられるから、私も彼の腰に手を回した。




『テヒョナ...ありがとう、私こそごめんなさい』





私がそう言うと突然身体を離し、





「もう1人にさせないから」





そう言って照れたようにまた笑ってくれた。




ふと、微笑んでいる彼の服を見ると






『その服...』





「ん?あ、そうこれAが俺の誕生日にくれた服」





今日はずっとジャケットを着てたから気付かなかった、白いセーター。




中にチェックのシャツを着て、上手く着こなしてくれている彼。




...やっぱりオシャレだ。




『着てくれたんだね、嬉しい』




私がそう言って微笑むと、なぜか少し俯いて頭の後ろに手をやる彼は





「あーあ、本当は夜見せたかったんだけどなー」





照れたようにそう言うから





『なんで』





私が聞くと、そっと耳元に口を当ててきて





「...ベッドで」





『えっ...』





低い声で急にそんなことを言うから、無性に恥ずかしくなって、無意識に身体を離してしまった。


二ヒヒーとまた意地悪そうに笑う彼を見て




『もう』





私も照れて彼を叩く。





「あーねぇ、今日早く帰らない?そんで早くベッ」





『ばか』





「えー、帰ろうよー。俺もう待てないよー」





『ほら行くよ、次観覧車』



そう言って早く帰りたそうなテヒョンの手を引きズンズンと歩き出す私。



テヒョンはそれにしぶしぶついてきた。









今日の彼は私のヒーローで、とってもとってもカッコよかったけど、



やっぱり私は甘えん坊な彼が好き...

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , 短編小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Ri-a | 作成日時:2016年3月14日 12時

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