3 ページ3
『な、に』
「なんか勘違いしてんじゃないの?」
『え?』
「俺がいつ連絡先交換したって言った?」
『え、だって今日テヒョンオッパと』
「あれはヒョンが勝手にやってただけ、俺は何もしてないし全部断ったよ」
『そ、そうなの』
さっきまでの不安が一気に吹き飛ばされる。なにこれ。
私...
「嫉妬」
『は』
「嫉妬してんじゃん、お前」
目の前でニヤニヤと笑う彼。
そしてポケットに手を入れたまま、また近づいてきて
「ほら」
『なによ』
ん。って言いながらポケットから出した右腕をのばしグーにして目の前に出されたから、
中になにか入ってるのかと思って自分の右手を出すと
急にそれを引っ張って抱きしめられた。
「お前のこと離す気ないけど、俺」
耳元でそうつぶやくグク。
『...ばか』
フッと耳元で笑われた。
彼の息が首筋にフワッとかかる。
その瞬間、とてつもない安堵感と彼のぬくもりを全身で感じた私は、悔しながらも笑顔で彼の体を強く締めつけた。
『もう...私ばっかりおかしい』
「知ってる」
『なによ』
「可愛い」
私を抱きしめるグクの腕の力が少し強くなった。
『苦しいよ、もう』
「離すなよ」
少し体を離そうとした私をさらに強くくっつける彼。
『グク』
「俺今おかしいよ」
『なにが』
「お前のことめちゃくちゃにしたい」
『ばか』
グクの穏やかな匂いが私をさらにおかしくさせる。
しばらくして体を離したけど、なんだか恥ずかしくて俯いてしまう。
「顔真っ赤」
『うるさい』
俯いた私の頭の上でクスクス笑う彼の声が聞こえたから悔しくなって思わず顔を上げた瞬間。
...チュッ
とキスされたと気づいた時、目の前には彼の長い睫毛と綺麗な肌。
私たちの指は、無意識のうちに絡まりあっていた。
9人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Ri-a | 作成日時:2016年3月14日 12時