好き以上、愛してる未満。 (ページ10)

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嫌じゃなかった。

雄登に抱き締められて、何故か安心した。

その行動に何の意味があったのか

分からないけど。

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『こんなとこで何してんの？』

聞き慣れた声がして、雄登と私の体が離れた。

雄登の向こう側に立っていたのは、

雄登『...優斗先輩』

「ゆとくん...」

眉間にしわを寄せたゆとくんだった。

いつものへらっとした笑顔は無くて

あのゆとくんを、少し怖く感じる。

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優斗『...って、お前らなんつー顔で俺を見てんだよ！』

そう感じたのもたった一瞬だけで

ゆとくんはいつものようにへらっと笑ってみせる。

雄登『...先輩、お久しぶりです』

優斗『おう、久しぶり...ったく、那須さぁ、ああいうのは中でやれよ』

雄登『えっ、してもいいん...』

優斗『いや！やらせねぇけどな！！』

そう言うと、

Aは俺のもん〜と、ゆとくんが近づいてきた。

私の両肩に手を置いて、

優斗『ほら、家ん中入ろ』

と押し進める。

優斗『じゃ、那須またな〜』

雄登『あっ、はい』

「雄登〜、今日はありがと」

雄登『ん、また明日』

バイバイと手を振れば、微笑んで今度はちゃん

と振り返してくれた。

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優斗『お前ら付き合ってんの？
ってか、Aは那須の事好きなの？』

お母さんは友達とお出かけ。

お父さんはまだ仕事。

龍斗は蒼弥くんの家に行っている様でまだ帰ってきていない。

部屋で制服から部屋着に着替えた後。

ゆとくんの隣に腰を下ろせば、そんな事を聞いてきた。

付き合ってる...とは。

雄登の事好きなの？って

そういえば、この前

雄登に聞かれた事があるような...

放課後の教室。雄登の事を思い出す。

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「付き合ってるとかよく分かんないけど...
雄登との事は好きだよ？」

優斗『あっ、付き合ってないのね......
え、那須の事好きって...ま、じで？』

「うん、好き。友達も、お父さんとお母さんも、龍斗も、ゆとくんも...皆同じ位大好き！」

優斗『っ、...そっちかぁ〜〜』

「ん？」

優斗『いや、』

ゆとくんは

はぁ、と頭を抱える様にして

太ももの上に項垂れた。

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