好き以上、愛してる未満。 (ページ17)

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「やっと終わった〜」

雄『だな』

気づけば期末テスト最終日。

1番最後の英語のテストが終わった後、

私はグッーと伸びをした。

テストの関係で学校は午前中に終わるわけで。

午後は何をしようかと考える。

「...新しい洋服買わないと」

そうだ、今週末にはゆとくんと出かける約束をしていた。

約束をした日からお互い会うことが無かったけ

ど、元気かなぁ。

『A午後は何するの？』

帰る支度をしていたら、雄登に話しかけられ

この後の予定を話す。

『...ねぇ、俺も付いていって良い？』

「別に良いけど、雄登つまんないよ？」

『俺が洋服選んであげるから』

「えっ、なんでよ」

『多分俺、Aよりセンス良い自信ある』

「っ、」

フッ、と得意気に言ってきてムカつくけど

雄登の私服のセンスが良いのは分かっていたか

ら、言い返せないのが悔しい。

『ほら、早く行くぞ』

「わっ...ちょっと、私のバッグ！」

早く行くぞ、って私のバッグを取ってドアに向かう雄登。

持っていてくれるんだ、と気づいたのはそれよ

り少し後。

やっぱり雄登は優しい。

彼の背中を後ろから眺めながら、

大きくなったな、って呑気な事を考えて。

「いつもありがとね、雄登」

『何だよ急に』

私の方を振り向いて、

ハハッと笑う雄登につられて私も口角が上がる。

最近の雄登は変だ、とか思っていたけど

そんな事無いみたい。

＿＿＿＿＿＿＿

数時間後、結局私が買ったのは雄登が選んだ洋服だった。

「なんか、雄登に負けた気がして嫌だなぁ」

『最終的に買ったのはAでしょ？』

「...まぁ、そうだけど」

視線を横に移せば、得意気に笑った顔。

『そういえば、何で今日洋服を買いに行ったの？』

「今週末ゆとくんとお出かけだから、洋服買おうかなって」

そう言うと、何故か雄登の表情が固くなった。

『Aはさ、...優斗先輩の事が好きなの？』

「え、...好きだけど？当たり前じゃん」

ゆとくんも、雄登も家族も友達も、同じくらい大好きだもん。

おかしな事を言うな、と笑いながら雄登の前を

歩いていると、突然手を掴まれた。

「...雄登？どうし...」

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『.....好きだ。お前の事が』

振り向けば真剣な表情の雄登。

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私の胸の奥が、何故か震えた気がした。

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