キミの大切な人になれたら (ページ42)

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頭の中が真っ白になった。

だんだんと意味を理解していくにつれて涙がじわじわにじんできた。

「、、、っ」

耐えきれなくなり、教室とは反対方向へ駆けだした。

あのふたりから逃げるように。現実から目を背けるように。

MI『あの海見てたら、安心するもん』

それは、あの雨の日、彼が『海になりたい』と言った時の。

SC『海って見てると安心するじゃん』

同じ言葉。

「ハァ、ハァ、、、ハァ」

昇降口の近くの自販機前に立ち止まる。

走ったせいで息がしずらく、咳きこんだ。
それと同時に涙がぽとりと地面に落ちた。

、、、なんで、気づかなかったんだろう。

教室の窓から見えるあの海の近くには、スンチョルとミオの家がある。

『海を見てると安心する』のはスンチョルじゃない。

それは、ミオだ。

ミオが『海を見てると、安心する』。
、、、だから、彼は『海になりたい』

「もう、やだ、、」

彼が長い間片思いをしている相手。

そんなのひとりしかいないじゃんか。

彼があの寂しい笑顔をする時は、決まってミオがいないときだ。

ああ、、、思い出せば沢山あるじゃん。

彼の言葉にはいつだって彼女の存在があったこと。

そっか。スンチョルの好きな人は、、ミオ、なんだ。

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