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「 、、、 私もね 」
彼の悲しくて寂しい恋心から逃げたくなくて、俯いたまま呟くように言う。
「 、、私も、好きな人、いるんだ 」
今にも涙が溢れてきそう。
でも耐えなきゃ。変わるって決めたから。
手に入らなくても、失うかもしれなくても、見つけたこの大切な感情をなかったことにしたくない。
唇をぎゅっと噛んで顔をあげると、驚いたように私を見つめる彼の顔があった。
その表情に思わずへらりと笑う。
「 誰だと思う、、？」
手のひらを握りしめ、私は真っ直ぐにスンチョルを見つめて、目を細めた。
彼の瞳にどうか、今まででいちばん可愛い私が映ってますように。
「 スンチョル、だよ 」
─── ドン
青い花火が夜空に舞った。
SC「 ・・・・・ 」
ただただ驚いて、何も言えないという様子のスンチョル。
「 驚いたでしょ 」
笑う私に、彼は戸惑った表情をした。
私を見て考えるように唇を閉じる彼を見て、正直嬉しいと思った。
彼を好きな私で、その瞳に映りたい。
スンチョルは笑う私を見て、その眉を寄せて目を閉じた。
SC「 、、ごめん 」
その真剣な声色に胸の奥がじんじんと傷んできた。
たった一言なのにどうしてこんなに苦しく感じるんだろう。
「 うん、、、こっち、見て 」
私の言葉に、長いまつ毛があがる。
彼はすごく申し訳なさそうに、私を見ていた。
優しいなあ、ほんと。そんな顔されたら、泣きそうになる。
「 ふふ。フラれるのわかって言ったんだから、スンチョルはそんな顔しなくていいんだよ 」
SC「 、、、でも 」
「 いいの 」
目を伏せて笑う私に彼の手が伸びる。
だけど、頬に触れる直前でそれは止まった。
今までたやすく触れてきたのに。
胸のそこがじんじんと痛む。それでも私は笑った。
「 大丈夫だから。返事、ありがとう 」
お願い。私の精一杯の強がり、崩さないで。
SC「 、、うん。俺こそ、ありがとう。、、ほんと、ありがとう。」
私のことを考えて言ってくれてるのがわかる。
夜空にはフィナーレで沢山の花火が打ち上げられはじめた。
「 あ！最後だよ、ほらスンチョル！」
私のせいで重たい空気になっちゃったから、せめて明るくしなきゃ。
SC「 、、うん 」
花火を見上げる彼の瞳には確かに私が映っていた。
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作者名：ユナ | 作成日時：2020年10月25日 16時
