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SC「 なんか食べる？ 」
私たちは屋台の並ぶ通りを、人波に流されながら歩いていた。
SC「 、、、A？ 」
騒がしい周りの音にまぎれて、隣からスンチョルの声が聞こえてハッとする。
「 ！、、なにっ？」
SC「 なんか食べる？って聞いたんだけど、A、今めっちゃぼーっとしてたね 」
「 ああ、そっか、ごめん！考えごとしてて 」
へらっと笑う私をスンチョルはじっと見つめてくる。
SC「 、、考えごと？ 」
そう言って首をかしげるスンチョルはいたずらっ子のように笑っていた。
「 、、そ、考えごと 」
SC「 どんな？ 」
「 こんなことになるなんて思ってなかったなあ、とか 」
SC「 うん 」
「 、、スンチョルは私とふたりでつまんなくないかなあ、とか」
最後の言葉はしっかり彼の目を見て言った。
スンチョルは静かに「つまんなくないよ」と言った。
SC「 それ、Aの悪い癖だね。すぐ自分を卑下する 」
、、、だって、自信がない。
私は私にまだ自信を持ってないから。
「 、、、謙遜だよ、謙遜 」
SC「 よく言うよ 」
そう言ってスンチョルは笑った。それにつられ私も笑顔になる。
SC「 でさ、さっきも聞いたけど、なんか食べる？ 」
「 う〜ん、、あ！トッポギ食べたい！」
嬉しそうに屋台を指す私に、スンチョルは面白そうに笑った。
なんだか恥ずかしくなってくる。
SC「 トッポギ好きなの？ 」
「 好きっていうか、今はそういう気分なの！」
SC「 そっかあ 」
笑いながら背中を押されて屋台の方へ歩かされる。
ムッとしながら上を向くと、スンチョルの楽しそうな笑顔が見えてホッとした。
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作者名：ユナ | 作成日時：2020年10月25日 16時
