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SC「 A！」
その声にドキッとして慌てて顔をあげる。
私服のスンチョルがこっちへ歩いてきた。
いつもと違う雰囲気に心臓がはやくなる。
こっちへだんだんと近づいてくるスンチョルへ「 ちょっと遅刻！」と可愛げのない言葉をかけた。
SC「 、、え、待ち合わせ、7時じゃなかった？」
「 え？ 」
私を見て彼は戸惑った表情を浮かべた。
SC「 早めに来たつもりだったんだけど、、時間まちがってた？ 」
「 わかんない、私は6時半って聞いた 」
SC「 まじか、連絡行き違ったのかな、、」
もしかしてミオ、、、わざと違う時間をスンチョルに教えたんじゃ、、、
そんな考えがよぎったけど、違うと振り払った。
SC「 それより、みんなは？」
「 あ、、それがさ、ミオもハニも今日来れないって 」
SC「 、、え 」
固まったスンチョルの顔に、ショックを受ける。
や、やっぱ、私とふたりきりなんか嫌だよね。
泣きたくなるのを抑え口を必死に動かした。
「 な、、なんかね、ミオの家、今親戚の子預かってるらしくて。親が出かけるから家にいなきゃ行けなくなったって 」
SC「 、、、そ、か 」
私の表情の焦りに気づいたのか、スンチョルは「仕方ないね」と笑ってくれる。けどその顔は悲しげで。
SC「 ハニは？ 」
「 バイトのヘルプでよばれちゃったって 」
SC「 、、じゃあ、今日はAとふたりきりか 」
スンチョルは私を見て目を細めた。
私を見つめる視線が優しくて思わず目を逸らした。
「 そ、そうなる、ね 」
SC「 なんかA、いつもと違う？」
その声にバッと顔を上げる。
私の頭から足元まで見ると、スンチョルはフッと笑った。
SC「 、、、浴衣だ 」
一気に顔に熱が集まった。
どうせ似合ってないけど、似合ってないけど！
うっかり喜んじゃいそうになるじゃんか！！
「 だっ、だ、だから何っ？ 言いたいことがあるなら言って！ 」
SC「 はは、なんもないよ。 つーか、また緊張してる 」
面白そうにわらって、私のくるりと巻かれた髪に触れる。
もうやだこの人。視線も表情も声も、優しくて甘い。
、、、ムカつく。
SC「 行こっか 」
スンチョルの声で私たちは歩きはじめた。
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作者名：ユナ | 作成日時：2020年10月25日 16時
