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MI「 Aちゃんが変なのは前からだもんね〜 」
前の方から聞こえてきたミオの言葉にぎょっとする。
「 わ、私は普通だよ！ 」
MI「 自分で普通っていう人ほど変なんだよ〜。ほら、早く行こっ！」
そう言ってミオはハニの手を引いてさっさと水道に行ってしまい、取り残された私とスンチョルくんは顔を見合わせた。
SC「 、、ぶっ 」
「 ちょっ、人の顔みて笑わないでよ！」
スンチョルくんはズボンのポッケに手を突っ込んで肩を震わせる。
SC「 見てて安心する。Aさん 」
、、、え？
目を見開いた私に、スンチョルくんはふはっ笑った。
SC「 それ、その顔。ほんとに、素直な反応するよね 」
指をさされて自分の顔に手を添える。
SC「 顔を見てたら本当の気持ちがわかるから、安心するんだよ 」
西日のオレンジが彼の肌を濃くする。
SC「 無理に笑ったり、自分の気持ち誤魔化そうとしないよね、Aさん。口では意地はってるけど、顔に全部でてる。だから俺も素直に笑えるというか。Aさんの長所だよ、それ 」
、、そう言うスンチョルくんは？
今、本当に素直に笑ってる？
私は震えそうになる声わ精いっぱい出した。
「 く、苦しそうに、見える 」
彼は驚いた様子で私を見てる。
「 スンチョルくんの笑顔、ときどき、苦しそうに見える、、！」
無遠慮だと思う。だけど、それでも。
彼がこの先もあんなにさみしそうな笑顔を浮かべてるんじゃないかって考えたら、たまらなくなった。
彼はしばらく私を見てたけど、やがて静かにこちらへ歩いてきた。、、怒ったかな？
正面からぶつかりすぎたかもしれない。
やっぱり直すべきだよね、この直球すぎる性格。
私の前に立った彼は、それでも優しく笑っていた。
不安で唇を噛んで彼を見上げる私に「ありがとう」と言う。
SC「 Aさんは、真っ直ぐだよね 」
彼は私の頬に触れる。
その手はとても冷たかった、、。
「 スンチョルくんは真っ直ぐじゃないの、、？」
彼の瞳は暗かった。
目の前にいるのは私のはずなのに彼は今、私を見てない。
、、、好きな人のこと、考えてるの？
SC「 俺は真っ直ぐじゃないよ。、、だから少しAさんが羨ましい 」
ああ、やっぱり。この距離は埋まらない。
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作者名：ユナ | 作成日時：2020年10月25日 16時
