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雨が黒い傘に容赦なく降りしきる。
時折肩が彼の腕に当たって、ドキッとする。
「 ・・・・・・ 」
学校を出て5分。
大きな傘の下、私とスンチョルくんは無言で歩いていた。
何を話せばいいのだろう、、と隣をちらりと見上げる。
彼はまっすぐ前を向いている。
どこをみているんだろう、、、。
そんなことを考えてると、ふいに目が合った。
「 ！ 」
SC「 、、、何？ 」
スンチョルくんはちょっとだけ笑いながら首をかしげる。
私は慌てて首を振り「な、何も」と言って前を向いた。
、、、恥ずかしい。
SC「 Aさん、さ、、」
突然名前を呼ばれて驚く。
「 な、何！？ 」
SC「 なんか、緊張してるね 」
あわててスンチョルくんを見上げると、彼は小さく笑いながらそう言った。
やば。ほんとに恥ずかしすぎる。落ち着けよ、私。
「 アハハ、ごめん。そうかも。それで、どうしたの？」
頑張ってなんでもないような顔で笑う。
スンチョルくんはそんな私を見て言った。
SC「 なんか、悩んでる？」
、、、え？
意味がわからなくぽかんとしてしまう。
SC「 あ、いや、Aさん時々、窓の外見てため息ついてるからさ。ちょっと気になって 」
その言葉に私は目を見開いた。
スンチョルくんも、私のこと、見てた？
「 ・・・・・ 」
驚くばかりで、声がでない。
進路のことで、私はずっと悩んでた。
でもため息なんて、みんなが見てない時しかついてない。
誰も気づいていないと思ってたのに。
見ていてくれた。その事実が嬉しくて仕方なかった。
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作者名：ユナ | 作成日時：2020年10月25日 16時
