【偽】カレシ◆赤司征十郎◆

fabrication【4】 ページ5

赤「…恋人なら、一緒に帰るものだろう」





あ「う、うん」






意外な赤司くんの返答に少し驚いた。





あ「ごめんね、赤司くん。





こんなことに巻き込んじゃって」





赤「いいよ、君も俺もただ偶然にあそこで会ってしまっただけなんだから。





きっと、俺があそこに行かなければこうなっていなかっただろう。





偶然か必然なのか、そんな風な考え方をしてみればすごい事だったなと思うよ」






あ「そうだね…」





赤司くんって、こんな考え方もするんだ。





なんていうか、良いほうに捉えるっていうか。





ポジティブ思考というか。





なんか、意外だな――…。






・






・






「高城さん」





あ「な、なに?」





「ちょっといい?」






朝学校に来ると、赤司くんのファンであろう女子たちに呼び出された。






あ「な、なんでしょうか」





「分かってるでしょ?赤司くんのことよ」





「赤司くんと付き合ってるっての本当?昨日一緒に帰ってるの見たって子がいるんだけど」





やっぱりこのパターンか…。





よく漫画のヒロインがあるようなやつ。





まさか、私がされる時がくるとは…。





あ「うん…付き合ってるよ」





私が赤司くんに頼んだことなんだもん。





自分でしっかりと言わないと。





そう言うと、私はドンっと押されて草むらに手をついた。

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