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………………………やばい。
駅まで来たのはいいものの、ホームに居る
たくさんの人に私の心は猛烈にざわめき始めた。
………………電車に乗らないと。
遅刻しちゃう。
分かっているのに、足がすくんで前にすめない。
気持ちだけが、スタスタ歩いていってしまう。
私は無理やりその足を動かして、人混みの中に
溺れていった。
___
電車は息をするのも苦しいほどの満員状態。
これから毎日この電車に乗らなきゃいけないと
思うと自然とため息がでる。
これから、うまくやっていけるかな、
電車のつり革に捕まりながら、ぼーっと
そんなことを考える。
友達ってどうやって作るんだろう。
先生はいい人かな。
みんなについていけるかな。
ネガティブな思考がどんどん頭の中を埋めていく。
私はイヤホンを耳に突っ込み、アップテンポな曲を
流して、その思考をピシャリと自分で遮った。
_
人の流れにそって電車を降りる。
乗っているときは分からなかったけど、
ぞろぞろと降りる人の中に私と同じ制服を着た人が
ちょろちょろ居るくらい。
私は少しだけ震える足を大きく動かして、
学校へと進んだ。
………大きい。
目の前に見える高校の正門はすごく大きい。
中学校とは比べ物にならないくらい。
ぞろぞろと生徒が入っていくのに紛れて
歩き始めようとした刹那_______
?「あの〜、1年生だったりします…?」
後ろから聞こえた声。
私?…………なわけないよね。
気にせずに歩き始めようとしたら、
?「あれ…、あの〜聞いてます?おーい!」
「えっ、あ、はい!!」
目の前に突然現れた男子生徒。
少し掠れたハスキーな声質に甘いマスク。
サラサラの髪の毛に綺麗な瞳。
世の中でいう、イケメン。
こんな学校にこんなイケメンがいるなんて。
開始早々、いい出会いしたな、なんて思っていると
?「あのさ、周り先輩しかいなくて、
教室分からないから一緒に行ってくれませんか?」
頭を下げて手を差し出す彼。
これって、告白みたいになってない!?
「………えっ、あ、いいよ!!いいから、頭あげて!」
慌ててOKすると、彼は勢いよく頭をブンッと上げて
ニコッと微笑んだ。
?「マジで!?神様だわ!……俺平野紫耀!」
「………平野くん……大袈裟、笑」
紫「君は?」
「あ、Aです、!名字は、七瀬です、」
紫「………あ、タメじゃないと怒るよ」
「え、あ、うん…」
これは、いい、出会いなのか__?
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作者名:憂流。 | 作成日時:2024年1月1日 16時