愛をください。～another story (ページ17)

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雅紀「初めて出会ったとき、綺麗な人だなって……思ったんです。」

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つられるようにコーヒーを一口啜って

ひとつ

呟く

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母「私が言うのも何だけど、潤もAも……二人とも器量よしなのにね？
Aは特に素直じゃないから。」

雅紀「そんなこと……。」

母「一人で背負っちゃうようなとこ、あるから。」

雅紀「………。」

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母「誰かに甘えられたら、もっと得な人生送れたかも知れないのにね？女の子なんだから。」

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お母さんは困ったように笑うけれど

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雅紀「俺は、そんなところも好きですよ？」

母「あら……。」

雅紀「自分では意地張ってるなんて、気づいてないみたいだけど。」

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俺の言葉に

お母さんが小さく笑う

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雅紀「それに……俺がAに甘えさせてもらってますから……。」

母「雅紀くんが？」

雅紀「今まで、誰かに甘えるなんてこと、出来なかったから。
俺は……Aでいいんです。」

母「……そう。」

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雅紀「いや、違うな。」

母「……え？」

雅紀「Aがいいんです。」

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ほんのわずかな言葉の違いを言い直すと

目を丸くしたお母さんが

今度は目尻を下げて笑った

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Aが素直じゃないのは

気づくのは簡単過ぎる程だった

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甘えるのが下手で

強がりで

意地っ張りで

負けず嫌いで

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でも

そんなAだからこそ

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ほんの少しだけ見せる弱さや

淋しさなんかに

惹かれていたのかも知れない

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見た目からは想像がつかないほど

本当は淋しがり屋なんだから

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