No.22 蠢く悪意 ページ23
「ってえ...両足両腕撃たれた...完敗だ...脳無もやられた、手下共は瞬殺だ...子供も強かった...
平和の象徴は健在だった...！」
とあるバーに、ワープから出てきた死柄木が話が違う、と続けた。
が、モニターから答え、死柄木から先生と呼ばれる人物は違わない、と答えた。
「ただ、見通しが甘かったね」
「うむ...なめすぎたな。敵連合なんちうチープな団体名で良かったわい。ところで、ワシと先生の共作、脳無は？回収してないのかい？」
画面の奥は、二人いるようだ。先生ではない人の質問に、黒霧が吹き飛ばされ、探せなかったと答えた。
その答えに、せっかくオールマイト並のパワーにしたのに、残念だ。と落胆していた。
「パワー...そうだ.....一人、オールマイト並の速さを持つ子どもがいたな.....」
パワーと言うワードに反応した死柄木が、オールマイトの話に繋げ、ポツリと呟いた。それに、興味深そうに返事をする先生。
「あの邪魔がなければ、オールマイトを殺せたかもしれない...
.....あぁ、でもそうだ。先生」
何かを思い出したように話す死柄木。その表情は、不気味な笑顔だった。
「例のあの子供.....元NO.3の娘がいたよ。ちょっと煽ってもきかないし、個性も完璧に使いこなしているみたいだったけど」
「！ほう、それはいい知らせじゃないか。.....あぁ、こちらも言い忘れていたんだが、そろころそちらに“彼”が来るは.....」
先生が話し終える前に、バーの扉が開かれた。そして、ある男が入ってきた。
「やぁ、死柄木弔。久しぶりだね」
コツ、コツと靴の音を鳴らしながら歩いてくるその男は、見た目は普通だが、何故か直に狂っていることが分かる人物だった。
「.....チッ、お前かよ。まぁいい、どうせあいつのことだろ？やっと分かった、あいつの居場所。雄英だよ」
「よく分かってるじゃないか。
死柄木から話を聞くと、狂愛に満ちた表情をする。それが嫌なのか、死柄木も不快そうな態度だ。
「無様な両親の後を辿ろうとは.....神に従い、こちらに来れば良いものを.....まぁいい、すぐにこちらへ来させてあげるよ.....A。ありがとう、また来るよ」
そう言うと、すぐに出ていった。
「.....欲しいのなら、盗ればいい。裏切りも付き物だ」
「.....そうする」
「あぁ、やっと会えるね。A」
静かに、悪意が蠢く。
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作者名：ミカ | 作成日時：2018年2月15日 7時
