No.21 目が覚めると ページ22
『.....ん...？』
パチ、と少し重い瞼を開けた。
すると、見えたのは見慣れぬ天井。そして、鼻につく独特の匂い。.....病院？
「！起きたか」
『.....え？』
ふ、と横を見ると、包帯をグルグルに巻いている相澤さんが座っていた。
そうだ。USJに行った時に、敵の襲撃にあったんだった。それで、脳無の下で意識がなくなって.....。
相澤さんの怪我はどれくらいだろうか、オールマイトや13号、他の子たちもどうなったのだろうか。どんどんと湧き出てくる疑問。
『あ、の.....相澤さん』
「.....生徒は皆無事だ。緑谷が個性を使って怪我を負ったが、すぐに治った。オールマイトもそんなもんだし、13号も大丈夫だ。俺だってばあさんが大袈裟なせいでこんな姿だが、もうほぼ治ってる」
私が聞こうとしたものを、聞く前に全て言ってくれた相澤さん。何で分かったんだろう。
でも、まずは皆が無事で良かった。.....ん？でも待て。相澤さんは大怪我を負っていたはず。そんな簡単に治るものではなかったはずなのに、何故.....？
「.....後はまた今度時間をつくるから、その時に話す。今はまず説教だ」
『は、えっ？説教？』
「そう、説教」
一人で色々考えていると、また相澤さんがそれを察し、止めるように言った。
「お前、何であの時俺の指示を聞かなかった。」
『.....すみません』
「.....はぁ。子供一人で敵と戦うなんて、合理的じゃない。それに、正直焦ったよ。お前が一人で突っ込んで、もしものことがあったら...とか、柄でもなく考えて」
ため息をつきながら、目を伏せて本音を言ってくれた。そうか、私は助けたい一心で飛び出したけど、そのせいで心配をかけてしまっていたのか。
『.....すみません、でした』
「.....どうせお前の事だ。皆を助けないと、とか考えて体が勝手に動いたんだろ。この不器用め」
そう言うと、コツン、と軽く私の額を小突いた。それには、何故か優しさが滲み出ていた。
『っわ』
「とにかく。もう二度とあんなことはするな。.....これでも、怖かったんだぞ。今度はお前を失うのか、って」
『相澤、さん.....』
そう言うと、フイ、と後ろへ向いてしまった。
「Aは、その.....俺の娘、じゃないな...まぁ、年の離れた妹、ぐらいには思ってるんだから」
『！.....ふふ、消太お兄ちゃん』
懐かしく、嬉しい言葉を言ってくれたので、小さい頃の呼び方で呼んでみた。
「.....今日だけだからな」
『うんっ』
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作者名：ミカ | 作成日時：2018年2月15日 7時
