占いツクール
検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:2,206 hit

No.19 途絶えた意識 ページ20

黒霧の話を聞いた死柄木は、そう言うと何度もため息をつき首を掻きむしった。


「黒霧、おまえ...おまえがワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ...。
さすがに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ、あーあ...今回は(・・・)ゲームオーバーだ」


今回は、を強調して言った死柄木。そしてピタッと動きを止め、こう言った。



「帰ろっか」



......は?

可笑しい。これだけのことをしておいて、それだけであっさりと引き下がるのか。
今帰れば、雄英の危機意識が高まるだけ。あいつらからしたら、オールマイトを殺すチャンスなんて、不意をついた今回しかない。それなのに、何を考えているのか。
分からないから、とてつもなく気味が悪い。



「けども、その前に、平和の象徴としての矜恃を少しでも......」


その言葉と共に三人の方を指さす死柄木。
まずい、来る。でも、手や足はもう動かせない。


「へし折って帰ろう!」



死柄木の手が梅雨ちゃんに伸ばされた。が、梅雨ちゃんは崩れなかった。消太さんが息も絶え絶えながら、個性を使ったからだ。私はその隙に死柄木を飛ばす。
手などの指示を出せるものがある方が、確実に思った方向に飛ばせる。目だけでは、不安定なのだ。が、今回は方向こそ上手く行かなかったが、飛ばすことは出来た。



「本っ当、かっこいいぜ。イレイザーヘッド.....キャプテンエールとピースプレイの娘、神司A」



ふら、と立ち上がった死柄木がそう言った。その直後、消太さんと私は脳無により、また地面に叩きつけられた。もう消太さんの意識はない。こんなに怪我を負って.....もう誰も、傷付けられたくなかったのに。


『しょ、たさ.....ごめん、なさ...い.....』


突如、ふと体にかかっていた重さがなくなった。向こうで何か起こっているようだったが、私もそれが理解出来る程の意識をもっていなかった。
ただただ、皆の無事と、消太さんが少しでも軽傷で済むことを祈るだけだった。

消太さんの怪我が、治りますように.....。
“あの時”のように、なりませんように.......。
そう願っていると、なんだか目が熱くなるような気がした。涙ではない何かだったが、分からなかった。


バァン、と扉が壊されるような、でも安心できるような音を聞いたのを最後に、私の意識は途絶えた。
周りに懐かしい花が咲き乱れ、消太さんの怪我を治し、その消太さんが私にも花びらを乗せることで私の怪我も治していることなど、気付かずに。

No.20 前触れの終り→←No.18 主犯と対峙



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミカ | 作成日時:2018年2月15日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。