No.15 個性とは ページ16
「「「「すっげー！！USJかよ！！？」」」」
『わぁお』
バスを降りた皆の第一声がそれだった。
気持ちは分かる。ゾーン別に分かれており、数もそこそこ、そしてそれぞれが大きかった。
「水難事故、土砂災害、火事.....etc.あらゆる事故や災害を想定し、僕がつくった演習場です。その名も.....
(USJだった！！)
13号がこの施設の説明をすると、名前のことについて全員の気持ちが一致した。
「スペースヒーロー、“13号”だ！災害救助でめざましい活躍をしている、紳士的なヒーロー！」
「わー！私好きなの、13号！」
説明が終わると、ヒーローオタクである緑谷君がすかさずその知識を発揮し目を輝かせて、お茶子ちゃんは嬉しそうに笑って喜んでいる。
いや、本当に可愛いな。この二人。
その癒し系の二人組を見ていると、相澤さんは13号の所へ行っていた。
「13号、オールマイトは？ここで待ち合わせるはずだが」
「先輩、それが...通勤時に、制限ギリギリまで活動してしまったみたいで。仮眠室で休んでます」
「不合理の極みだな、オイ」
話終えると、相澤さんの顔が思い切り不快そうに歪んだ。
相澤さんのあの顔に、二人がコソコソと話している様子、途中で13号が三本指を見せたことから、オールマイトのことだ。何か事件などがあって、その救助をしていたのだろう。もうマッスルフォームは保てない程活動をしたようだ。じゃあもう、今日は授業には来れないのかな。
「仕方ない、始めるか」
だが、それもさっと切り替え、顔の歪みも戻していた。
「えー、始める前に。お小言を一つ二つ...三つ.....四つ.....」
おぉ、増える増える.....
だが、お小言、と言う言い方が凄く可愛らしく感じた。
「皆さんご存知だとは思いますが、僕の“個性”は“ブラックホール”。どんなものでも、吸い込んでチリにしてしまいます」
「その“個性”で、どんな災害からも人々を救い上げるんですよね！」
「えぇ...しかし、簡単に人を殺せる力です。皆の中にも、そういう“個性”がいるでしょう」
13号の声色が、より一層真剣になる。それと共に、緑谷君の言葉に賛同し、首を降っていたお茶子ちゃんはそれをやめ、皆も引き締まった表情で話を聞いていた。
それに続き、13号は話を続けた。超人社会の仕組みのこと、今の平和は紙一重であること、故に一歩間違えればそれは崩れる、それが出来るようないきすぎた力を個々が持っていること。
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作者名：ミカ | 作成日時：2018年2月15日 7時
