ヒューマンバグ大学 短編集＆反応編 0

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A視点

先程目が覚めて、顔を上げたら見知らぬ部屋。そしてご丁寧に両手首には手錠、足には足枷、しかも足枷はベッドの足に繋げられ逃げれない状態に。

....お相手さん、いや“雷電”さんはなにが目的なのでしょうか。

ｶﾞﾁｬｯ....

『.....合っていましたか。』
雷電｢起きたか....さあ、ご飯だ食べろ。｣
『嫌に決まっています、今すぐ出して下さい。』
雷電｢ダメだ。｣
『何故？』
雷電｢お前はどこかに消えるからだろう。｣
『....はい？』

消える....ああ、組織を辞めたことですか。

『組織抜けたことは申し訳ありませんでした、でも私は嫌だったのです。』
『貴方達が持つ思想に、私は嫌気をさしました。』
『だからやめたのです。』
雷電｢....｣
『まあここで殺されても、文句も暴言も吐きませんよ。』

そうだ、組織を裏切ることは許されない行為。だからここで殺されても私は文句も暴言も言えないのだ。

雷電｢....お前は勘違いをしているみたいだな。｣
『....なんですって？』
雷電｢恋って分かるか？｣
『....ええ、分かりますよ。』
雷電｢俺はお前に恋をしてしまった。｣
『え？』
雷電｢他の男共に見られたくない、だからここに連れて来た。｣
雷電｢お前はずっとここに居てもらう。｣
『......』

なるほど、生き地獄はこういうことを言うんですね。

私には....未来がないと。

近付く雷電には目を向けず、私は心の中で絶望した。

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