元キャバ嬢が開久の先生になったら【相良猛】

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開久高校は、あちこち壊れているけれど。

外の街灯も、見事に壊れている。

だから、校舎を出ちゃうと、校門までは真っ暗。


何も見えない。怖すぎる。


「もう、街灯くらい直してよねー！」

怖さを打ち消すために、わざと１人でしゃべってみる。


校門まで行ったら小さな街灯があるから、そこまで頑張って歩こう。


私、急ぎ足で歩いた。


そして。
校門の近くまで来た時。

誰かが、門に寄りかかって座っている影が見えた。



暗いから、誰かはわからない。

こんな時間に！こんな所で！絶対変な人に違いない！

怖すぎるー！



私、いつでも逃げられる様に、カバンを前に抱えて、身構えた。

そして、恐る恐る校門に近づいた。


すると、この人物、私の気配に気がついて、ゆっくりと顔をあげた。

でも、暗くて顔は見えない。



その人は、門に背中を擦る様にして、ようやく立ち上がった。そして、ふらふらとしながら、こちらに向かってゆっくりと歩いて来た。

まるで映画で見たゾンビの様な歩き方。



私、腰を抜かしそうになる。

でも、次の瞬間。


「よぉ…A。」

と、かすれているけれど、聞き覚えのある声がした。

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