元キャバ嬢が開久の先生になったら【相良猛】

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その後、私は生徒指導の先生の所へ行き、相良くんの家庭環境について聞いた。







相良くん、

あんな風になっちゃったのも、わかる気がした。



お母さん、相良くんが小さい時、突然家を出て行ってしまったらしい。

その後、お父さんに育てられたものの。アル中のお父さんは、お酒を飲むたびに相良くんを殴ったそう。

みかねた親戚に引き取られたものの、既にグレかけていた相良くんは、邪魔者扱いされて。

親戚の中をたらい回しにされたそう。




大変な生い立ちだったんだな。






そっか。だから、あんなに怒ったんだ。

私が、下っ端くん達をからかった時。言うことを聞かせようとして、私が色仕掛けでみんなの注目を引こうとした時。


だから。怒っていたんだ。



きっと。

自分の「居場所」が無くなってしまう気がして、嫌だったのかもしれない。



相良くんは、子供の時に手に入れらなかった「自分の居場所」を。

今でも探し続けているのかもしれないーーー。




私、柄にもなく、すっかりしんみりして、生徒指導室を出た。


こんないい加減な自分に、他人を思いやる気持ちが、まだ残っていたのにも、驚いた。



外はすっかり暗くて、月が出ていた。

時計を見れば、もう夜の8時。



夢中になって、相良くんの家庭環境報告書を読んでいたら、こんな時間になっていたのに、気がつかなかった。

もう帰ろう。


私は荷物をまとめ、学校の玄関を出た。

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