Our Infinity 〜2nd〜

89話 ページ39

慧side



検査の結果が悪かったんだ

宏太の表情とか話し方でわかる

多分、今回の入院は長いんだろうなってことも


八「今日は天気がいいよ」

そう言って光がカーテンを開ける


冬の空は好き

天気がいい日は真っ青で、空気が綺麗でキラキラしてる感じがするから

雨は雨で好きだけどね


窓から見える今日の空は綺麗な水色で、そこに真っ白な雲が浮かんでる

きっと気持ちいい風が吹いているんだろう


外に出たい

でも今は点滴も心電図も外せないから

そんなわがまま、宏太と光を困らせるだけ


伊「…………」

薮「窓開けるか？」

伊「…いいの？」

八「じゃあ、あったかくしなきゃね」


光が布団をかけ直して、首のところをマフラーで覆ってくれた

外には出られないけど風くらいなら感じられるかな

宏太が開けた窓の隙間から冷たい風が入ってきた


薮「…ぅう、さっみぃ」


宏太は両手を擦り合わせてる

確かに風は冷たいかも

でもとっても気持ちいい

布団から出た顔だけがひんやりと冷えて、新鮮な空気が肺を満たすこの感じ

酸素マスク、取れてよかった


伊「…きもちぃ…、」

八「宏太、寒がりすぎ。代謝悪いんじゃない？」

伊「運動しな、ガリガリ」

薮「ガリガリじゃねえ」

八「ガリガリだろ」

伊「ほら」


ねー？って光と顔を見合わせて、光にお腹を突っつかれてる宏太を眺める

俺は布団とマフラーに包まれてぬくぬく

あったかいもん


伊「雪…」

薮「雪は流石に降ってねぇよ」

伊「雪、見たい。前にさ、4人で行ったよね」

八「リビングに写真あるやつ？」

伊「うん」


最後の家族旅行

キラキラ光る真っ白な雪景色の中にコテージがあって、そこに泊まったんだっけ

到着した日は天気も良くて、ちょうどこんな感じの真っ青な空だった

あまりに気持ちが良かったから、コテージの前で4人で写真を撮ったんだ


ベッドの上から冬空を見ていたら、ふとその旅行を思い出した

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