第10話 過ぎ去りし時を求めて ページ12
「セーニャ」
セー:「……っ」
今にも泣き出しそうなセーニャにシアンは
満面の笑みを浮かべて見せた。
セーニャはそんなシアンの笑顔をみて、
目を潤ませながら頷く。
セー:「また……私のこと探し出してくれますか?」
「ああ…何度でも…何度でも。
私はセーニャを見つけてみせるよ」
カミュ:「……迷うなよ、シアン。
お前まで迷ってたら、俺が探しに行く
はめになるんだからな」
「ふふっ…その時は迎えにきて?相棒」
セーニャ…慈愛に溢れた、優しい子。
ベロニカ…流石は貴女の妹ね。この子はとっても
強い女性だ。
カミュ…誰よりも私を理解して、背中を押してくれた唯一無二の相棒。
…相変わらずカッコいいヤツ。
ああ…私本当に皆に愛されてるな。
皆を愛してるなぁ……。
シアンは皆に背を抜け勇者の剣を抜くと
時のオーブの前に再び立った。
時:「さあ、時はみちました。
いまこそすぎさりし時へ………!」
「……ああ。…………ふっ…!」
ガキィィィン!!
時のオーブはシアンの振り下ろした勇者の剣にて大きなヒビが入り、勇者の剣の刀身は
折れ、その破片が舞う。
その瞬間時のオーブから眩い光が溢れ出した。
ロウ:「…シアン………シアンッ…!!」
ふと後ろから祖父の切ない声が聞こえて
思わずシアンは振り返る。
ロウは堪えきれなくなったのかこちらに
駆け寄ろうとして躓くと、その場に膝を落として
崩れる。
その姿と他のみんなの表情をみて、自分の中で
何かが切れる音が聴こえたかと思うと、
両頬に温かい液体が留めなくつたっていった。
決して仲間の前でもそれを流さなかった彼女の
無防備な姿をみてカミュは堪らず叫んだ。
カミュ:「っ……シアン!…俺たちは
もう一度お前と旅をするからな!」
「っ……カ、ミュ………」
そして、グレイグも初めて見る彼女の歪みもしない泣き顔に耐えきれず、叫んだ。
グレ:「シアン!……きっと俺はお前に一度でも魅
せられれば最後…その感情に炎を宿し
そのまま惹かれ…
またお前に惚れる だから────」
「っ………グレイグ!!皆!!」
シアンは震える声で最後の言葉を振り絞った。
「ありがとう、皆………!
今までもこれからも…私…皆のこと…
心から愛してる!!」
その言葉を最後にシアンの身体は眩い光に
包まれ、遥か彼方へと消えた。
58人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
汐乃(プロフ) - ルビスさん» ありがとうございます!少し更新が遅めになりますが…頑張ります! (2017年9月5日 1時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
ルビス(プロフ) - シナリオ、キャラクターにとても好感が持てました続きを毎日楽しみにしています!頑張って下さい!! (2017年9月4日 3時) (レス) id: 0261b564cd (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - はちみつ恋風味さん» そのように評価していただきありがとうございます!このような駄文ですがそう言って貰えると、とても嬉しいです! (2017年8月30日 4時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ恋風味(プロフ) - 面白いです、原作に沿ってストーリーを進めている展開にドキドキしながら読ませていただいています。わたしもホメロス好きなので救っていただいて嬉しいです!更新待っています(*^_^*) (2017年8月29日 17時) (レス) id: 8fdbcc3360 (このIDを非表示/違反報告)
汐乃(プロフ) - ポテコさん» ご指摘ありがとうございます!すぐさま訂正させていただきました! (2017年8月28日 22時) (レス) id: 606c0a317c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りまるま | 作成日時:2017年8月27日 10時