狐のお面なんて外せ！

第11話　鈴 ページ13

秒で『0』になったおにぎり




『食べたいなー』
『もうちょっとおにぎり食べたいなー』




とは、言わない
だが『圧』





仕方なく厨房へ行った私はおにぎりを作成…





魚「ほら」




狐たちの前にお盆を置いた
でも彼らは手を伸ばさない


ただ見つめるだけ…




魚「鮭(挙手)」
狐×7『(挙手)』
魚「全員鮭がいいんかよ」
狐×7『(万歳)』




もう二度と鮭以外のおにぎり作らん





おにぎりをとりに来た全員に私は色違いの鈴をわたした
これをつけていれば誰なのか判別できる




HS「これは？」
魚「プレゼント。色で誰なのか判別できるしさ？」
TH「プレゼント…」
JK「俺にくれるんですか？」
魚「そう」




狐たちは物凄くうれしそうに鈴を眺めてる
…なんかちょっと可愛いかも笑




JM「主様お名前は？」
魚「魚」
JK「あっ…あの！本名は！？」
魚「いうわけないでしょ」
JK「なんでですか？」
魚「なんでって仲良くとも何ともないでしょ」




花魁は親しい仲の人物にしか本名は教えない
…別にあたしは花魁じゃないんだけどね

しかも『なんでですか？』って事は
彼の周りの女たちはたやすく自分の名前を教えてたって事か
どんだけモテてるんだ






なんか腹立ってきたな





YG「えっ…なにを…」
魚「足首の怪我。消毒するんだよ。…ほらあんたたちもやるんだから足出しときな」





体を起こしたユンギがあたしの顔と自分の足首を交互に見て慌ててる



JIN「魚様は主様なのに何で雑用を…？」
魚「別にだれがどの仕事しようが仕事は仕事。それにあたしの大事な花魁だ」
YG「いてっ」



あたしはユンギの膝を軽く叩いて床に座ってる狐たちの足首の消毒にかかる
新品のおにぎりを持ったジミンが


おにぎり→足首→あたしの順に見て慌ててる



魚「お面とるなよ」
JM「取りません」



足首の消毒をしていて思う
…結構長いことつけられてたんだな
傷が治ってまだ傷ができてを繰り返してる









魚「殴られたんか？」




返事はない




魚「蹴られたんか？」




返事はない






魚「そういうめんどくさい事、絶対全部忘れた方がいいぞー」






じゃなきゃあたしみたいに嫌われるだけになるからなー

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