井戸端会議は恐ろしいもので ページ25
「日向〜? 貴方ドクササコに連れ去られて大変だったのはわかるけど! 廊下のことといい傷のことといい放っておくことが多過ぎよ!」
「いや、本当すいませんでした。 医療班の方といい近江様といいご迷惑を……!」
今回から朝から連れ去られるわ、塞いだ傷を開くわ自ら毒を飲むなど色々と説教のタネが多い。
そのため近江さんの前で正座をし頭を畳にめり込ませるような勢い。
「たっぷり絞られちゃったね。日向。 まあ、聞きたいことがあるから……ね、近江も短めに」
雑渡様の言葉におかしな間があることが引っかかる。前もそうだったがこの二人の間はなんとなく入りがたいというか、なんというか。なんというか……。
近江さんは厳しい顔で分かっていますと返事をする。
「……もう良いわ。これからは気をつけなさい」
「はい」
「……終わったかい? こっちにおいで」
手招きされ横座りの雑渡様の前にかしずく。
「ドクササコの件はお疲れ様。と言いたいところだけど、何か漏らしていないよね」
「何か、とは」
「こっちも忍ぶのが仕事で手の内明かされちゃ何にも出来ないんだよ。分かるね? だから、念のため」
「……何も漏らしては、いないはずです」
「『はず』じゃあ困るよ。日向」
いつもの声より幾らか低くなり周りの空気がぴり、とする。この鋭い目に睨まれるのは苦手だ。
「何も、漏らしてはおりません」
「本当に? 」
「はい」
「そう、なら良いよ。あと毒……あんまり簡単に飲まないでね」
「気を付けます」
うん、気を付けてと言われ解放されたが改めてとんでもないことをしたと実感する。
「そういえば、諸泉様たちは?」
「訓練中」
_____
キッ……カンッと金属が刺さり擦れる音がする。
あの四方に角がある金属は何なのだろう。包丁の代用品とか、はないか。
「日向! こっちのものもお願いね」
「はあい! 今すぐ」
近江さんに呼ばれ訓練場から目を離し洗濯物を回収しに行く。
今すぐ、と言うのは近江さんに教えてもらった。手が放せるときはこう言っとけば良いって。
「日向ちゃんはよく働くね。助かるよ」
「いえ、色々と迷惑かけてばかりで」
「そんなことないわ〜、ねえ?近江さん」
「そうですね。もう少し警戒することを覚えてほしいものですが」
お先に、と洗い場から近江さんが離れる。
「少し冷たいわよね、近江さんって」
「そうよね〜、まるで一匹狼みたい!」
「噂じゃあ、婚約者を捨てたそうよ。散々貢がせておいて家族ぐるみでさよならしたみたい」
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カナリア(プロフ) - 続き楽しみにしています!更新頑張ってください! (2015年5月31日 20時) (レス) id: 1223570c56 (このIDを非表示/違反報告)
文月 八重(プロフ) - ハイキュー,研磨LOVE☆《*≧∀≦》さん» ありがとうございます!頑張ります(≧∇≦) (2014年12月31日 8時) (レス) id: 4533d9e5f0 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー,研磨LOVE☆《*≧∀≦》 - 面白い!( ☆∀☆)キター続き楽しみにしてます!(* ̄∇ ̄)ノワクワク (2014年12月31日 1時) (レス) id: 7f5409c857 (このIDを非表示/違反報告)
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