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松「A、決まりましたか?」


『私じゃ選べないから松陽に選んでもらおうと思って』


松「そうですねぇ...Aに似合いそうな着物は...」



松陽は少し悩むと奥の方にあった透き通りそうなほど真っ白な着物を手に取った



松「Aは誰よりも白が似合うのでコレなんてどうですか?」


「私に似合うかな?」


松「似合いますよ」


「じゃあソレにする!!」


松「わかりました、帯も一緒に買いますね」



松陽は着物を買いに店主の元へ向かった
私は松陽が戻ってくるまで呉服店の外で待つ









松「お待たせしました、では行きましょうか」


『うん!!』



私達は銀時と晋助と小太郎を探しに町を歩く
子供より大人の方が多いから少し怖いけど私は松陽の後について行く


すると



ドンッ



「あっ!!」



向かいから走って来た男の子とぶつかってしまった



「ごめんなさい!!」


『大丈夫だよ』



ぶつかった男の子は私に謝るとそのまま走ってお母さんのいる所まで行った



「お母さん!!行こう!!」


「えぇ」



その男の子はお母さんと手を繋いで歩いて行った


ふと辺りを見渡すと
お惣菜屋さんにいる子も八百屋さんにいる子も皆が家族と手を繋いでいる


私も皆みたいに手を繋ぎたい...


そう思って目の前にいる松陽に手を伸ばすと...



「ねぇ見てあの子」


「なにアレ、尻尾と耳が付いてるわ」



どこかからそんな話し声が聞こえた
尻尾と耳が付いてるなんてここには私しかいない



「まるで狐みたいね」


「気味が悪い」



気味が悪い...
容姿に関しては今でも稀に悪く言われる事があるけれど...



「あの綺麗な人があの子を拾ったのかな」


「化け物は山にでも棄てればいいのに...なんでわざわざ拾ったんだろうね」


「あ、あの人私塾を開いてるって聞いたけど...あーいう子がいるからあまり評判が良くないらしいわよ」


「そりゃそうだろ、あんな奴とうちの子を関わらせたらって考えるだけでも恐ろしい...」



やっぱり...


ここまで批難されたのは久しぶりだ


私のせいで松陽の評判が下がるのも松下村塾の評判が下がるのも...


皆を恐がらせてしまうのも...


イヤだな...


私は松陽にのばしかけていた手を下ろし、松陽から少し離れた


元々人間でも妖でもないから...
どちらにも完全に染まる事ができない
私は皆みたいに手を繋いだり喋ったり一緒にいちゃダメなのかな...


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設定タグ:銀魂 , 松下村塾 , シリアス   
作品ジャンル:アニメ
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透明哀歌 - この小説、本当に大好きです!更新頑張ってください!! (2019年4月3日 2時) (レス) id: 2a668a49bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:外夢 | 作成日時:2019年3月27日 19時

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