百九十 ページ28
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『此処だよ』
晋助に下ろしてもらい
私は積もった雪を掘って洞窟の中に入った
『わぁ...』
洞窟の中へ入るとツンと鼻につく血の臭いと獣の臭いがした
『あの時から何一つ変わっていない...』
私は時の止まってしまった洞窟の奥へ進むと
探していたある物を見つけた
『あった』
銀「なんだ、武器か」
『うん』
高「確かに今俺達に一番必要だな」
秘境へ迷い込んだ人間達の武器や
私が殺した人間達の武器...
決して良い品物ではないけれど有難く使わせてもらおう
私達は洞窟中にある武器の状態を全て確認し、使えそうなものをまとめて持って帰る事にした
銀「もう行くのか」
『うん、ここにはもう戻ってくる事はないから』
この洞窟もこの秘境も今後一切行く事は無いだろう
私は人間として、侍として生きる事を決めたから
私達は刀を持って洞窟を出た
『ここら辺はまだ秘境と言っても旅人が迷って足を踏み入れることのある地』
『人が足を踏み入れることがあるけれど下級の妖や人間に害を及ぼす妖もいるし人間を食べてしまう獰猛な動物もいるよ』
私は少しだけ2人を恐がらせようと恐い話をした
銀「こ...恐がらせようとしてんのがバレバレなんだよっ...」
『でも本当の事だよ?』
銀「マ...マジか...」
高「ビビってんじゃねーか」
銀「別に?ビビってねーし!!そーいうお前のがビビってんだろ!!」
高「ビビってねーよ!!」
2人共十分恐がってるよね...
『恐いから早く下界へ行こうか』
銀高「「おう」」
私は銀時と晋助と離れないように手を繋いで下界まで歩く
歩いている途中
下級の妖達がこちらの様子を伺っていた
2人には見えていないようだけど危険な妖もちらほら見える
『銀時、晋助、ちょっと危険かも知れない』
高「危険って...」
すると目の前に数頭の狼が現れた
狼達は私達を金色の目で睨みつけている
狼{人間だと思って来てみれば...お前か...}
『そこを退いて』
狼{じゃあ後ろにいる人間達を置いていきな}
やっぱり
狼達の狙いは銀時と晋助...
『それはできない』
狼{何故、人間が憎いはずのお前が...人間を殺す事を厭わないお前が何故}
『もうあの頃とは違うの』
松陽に出会って銀時に出会って
皆に出会って私は変わる事ができた
狼{半妖の分際で今更変わろうなんて...}
『私は人間だ!!』
私は意を決して狼達に立ち向かう
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透明哀歌 - この小説、本当に大好きです!更新頑張ってください!! (2019年4月3日 2時) (レス) id: 2a668a49bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:外夢 | 作成日時:2019年3月27日 19時