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あの後晋助と小太郎もお家へ帰った
松「2人共、夕餉を食べる前にお風呂へ入って汗を流してきてください」
銀「『は〜い』」
私と銀時は先にお風呂へ入ってから夕餉を食した
深夜
ガラッ!!
銀「『!?』」
突然大きな音を立てて開いた扉
シャランシャランと玄関の方から何かが鳴っている
松(とうとうここまで追手が来てしまったのですね...)
『こんな時間に誰だろう...』
松「2人共、少しここで待っていてください」
松「銀時、Aをお願いします」
銀「おう...」
そう言うと松陽は玄関へ向かった
イヤな予感がする...
「貴様が吉田松陽か」
松「ええ、私が吉田松陽です」
「大人しく我々と同行せよ」
怪しい服装の人達が松陽の手を紐で縛り付ける
なんで、なんで松陽は抵抗しないの...
このままじゃ連れてかれちゃう
銀「A、お前はここにいろ」
銀時は静かに抜刀し、刀を構えた
いくら銀時でもあの人数の大人相手じゃ...
『待って、私も...』
銀「俺は死んでもお前を護る、スキができたらタイミングを見計らって裏庭から外へ逃げろ」
『松陽と銀時を置いて逃げられないよ』
銀「じゃあこうだ、俺と松陽はぜってー死なねェから、先行け」
“良いな”
銀時は私の返事も聞かずに飛び出していってしまった
銀「松陽を離せ!!」
刀を振り回す銀時を見て怪しい人達は錫杖を銀時に向けた
あの人達は何処か違う...
今までに感じたことのない危機感に見舞われる
このままだと危ない
『銀時っ!!』
心の中では恐怖で怯えている自分と
2人を助けたいと思っている自分がいた
けれど私の身体は素直だ
2人を助けたいという気持ちが恐怖に打ち勝ったのだから
私は鋭利な氷の刃を2人に当たらないよう敵に飛ばした
パキィィン!!
『!!』
けれど氷の刃は全て避けられたり弾き返されてしまった
こうなったらもう...
私は柄に手を掛ける
今ここで使わずしてどこで使う!!
私は大切な人達を護るためにこの刀を抜くと決めたんだ!!
『やあああ!!』
銀「A来るな!!」
『!!』
気付かなかった...
『あ゙!!』
曲がり角に潜んでいたなんて...
脇腹を刺された反動で私はおもいきり壁に激突する
揺れ動く視界に写ったのは連れて行かれる松陽と敵に捕まり抵抗する銀時と赤い血の海
嗚呼、私のせいで...
私が先走ったせいで2人を助けることができなかった...
全部私のせい...
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透明哀歌 - この小説、本当に大好きです!更新頑張ってください!! (2019年4月3日 2時) (レス) id: 2a668a49bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:外夢 | 作成日時:2019年3月27日 19時