Rain《リク》 ページ31
Side BLACK
なんでこうなったかと聞かれると、非常に困る。
たまたま、馬が合ったとしか言いようがない。
「いや、俺も、“寺坂と山本と”待ち合わせ。とは、確かに言ってない。
友人と待ち合わせてますって。
でもさ、確認もしないで入ってくるか？」
俺は目の前に座る“京本大我”という男に問う。
ごめん…と言いつつ、そのまま座ってんだから、何考えてんだか良く分からない。
芸能人ご用達のそこそこ高級な焼肉屋の個室。
いつもの恵比寿で5千円で、なんてレベルではない。
親友の一人である山本のささやかな誕生日会だ。
「飯、おごってな」と関西弁(彼は奈良出身)でデビューのお祝いを受けたわけだが、
それが実現していなかったため、今日は奮発する予定だったのだ。
まぁ、この店はジェシーに紹介されたところだ。
確かに政樹さんや目の前の彼が行きつけなのは予想していた。
しかし、先に来た俺の席に顔パスで案内されたのは、寺坂でも山本でもなく、彼だった。
「いや、で、どうしたの。だれとご飯のつもりで来たの。
そっち、行かなくていいの。」
一向に動かないため、一気に喋って、水を飲んだ。
俺はクエスチョンマークを付ける余裕もなく、目をそらしたまま。
「あぁ。そう、だね。
…北斗さ。今日…帰り、どうすんの。飲みすぎちゃダメだよ」
立ち上がる音と気配がして、チラッとそちらを見ると、バッチリと視線が交わった。
「電車、の、つもり、だけど。」
まぁ、終電の時間に終われば、ね。と付け加える。
「…そ。何かあったら連絡してね。ちゃんと傘持ってきた？」
「なに、そういうこと？(笑)
折り畳み傘、一本しか無いよ。それに、今日は降らないかも。」
天気予報は、曇りのち雨だったが、空の様子に雨の気配は一つもない。
「アハハ、そう。
こないだ北斗んちに忘れたのを今朝、思い出してさ。
俺も今日、折り畳みは持ってきたんだけど……明日、土砂降りらしいじゃん？」
「…え、今日来るの。てか、そこはケチらず、新しいの買えば良くない？！
2本あったっていいじゃん(笑)
明後日には会うんだし、俺、現場持っていくよ」
あ、そっか。と妙に納得する京本。
じゃあ、いいや。なんて、そそくさといなくなった。
「「お待たせ〜」」
ぼーっと、なんだったんだ…と考えていたら、二人がやって来て、そんな会話はすっかり忘れた。
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あーちゃん(プロフ) - しおの磁石さん» コメントありがとうございます！また機会があれば、ですが、その時はまたご愛読いただけたらと思います！今後もよろしくお願いします！ (2019年11月26日 15時) (
レス) id: 3192e0410d (このIDを非表示/違反報告)
しおの磁石(プロフ) - 夢の中で、すごく好きです！もっともっと読みたいなと思いました！更新待っています！応援しています！ (2019年11月26日 12時) (レス) id: 003f63ad03 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 結月さん» ありがとうございます！今回は赤くんだけでしたが、今後は他のメンバーの心情も書けるといいなぁと思います、、機会があれば、の話ですが（笑）今後もよろしくお願いします！ (2019年11月26日 7時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - 夢の中で、すごく好きです！また読んでみたいです。更新頑張ってください応援してます！ (2019年11月26日 0時) (レス) id: c699b36789 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 夏ANAさん» コメントありがとうございます！ほくちゃん呼びをあんなにナチュラルにできるのは彼だけです（笑）応援嬉しいです！また覗きに来てください！ (2019年11月25日 23時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2019年11月8日 10時
