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Side PINK
横になったほうが楽かもしれないけど、残念ながら、
ちょっと動くだけで縦にも横にも揺れるこの傾いたエレベータ内では無理で、北斗は素直に体を俺に預けている。
それにさっきから10〜20分おきぐらいに突き上げるような振動が数十秒に渡ってやってくる。
「余震、かな。…？あ、消えた」
ついに電気やエレベーターのボタンは点灯を辞めてしまった。
真っ暗な中に、北斗の苦しそうな息遣いが聞こえてくる。
「ハァツ、…ハァハァ、っ、」
ガタガタと揺れているのはエレベータだけではない。
北斗も小刻みに震えている。確かに、ちょっと寒くなってきた。
「北斗、震えてるよ。大丈夫？寒い？」
身を引き寄せて、顔を覗き込む。暗い状況に少し目が慣れてきた。
かかる前髪であんまり表情は分からなかったけど、少し頷いたのが分かった。
「まずいな…頭痛いとか、そういうのは？」
「…ハァハァ、はぁっ、…」
俺の上着を掛けてやって、背中から左腕を回し、少しでも温まるようにと北斗の左腕をさする。
やはり、そのたびにエレベーターは少し揺れた。
「っ、どうしたの」
暫くそうしていたけど、急に北斗の右腕が俺の左腕を止めた。
「止めて、ハァハァ、…。ハァハァ、はぁっ、気持ち、わるぃ…」
「うそでしょ、待って、俺、袋とか、なんかあったけ？」
俺は慌ててそこらへんにほっといていた自分のカバンを取ろうと手を伸ばす。
「っ！んぁ…はぁ、…止まって！」
グラングラングラングランとまたエレベータは揺れ、北斗は声をあげた。
「えっ、あ、ごめん…」
振り返ると、肩で息をする北斗が壁によりかかった。
「はぁ…はぁ…ごめ、…酔った…かも」
「マジか」
確かに貧血のクラクラする感覚と、縦にも横にも揺れるこの箱の中じゃ、そうなっても仕方ない。
そーっとカバンを手にして、何か受け止めるものがないか探す。
「あ、これでいいや、」
レッスン着を入れていた袋があって、中身をひっくり返す。
「北斗、気持ち悪かったら、吐いちゃっていいんだよ」
タオルを渡して、袋を差し出したけど、北斗は吐こうとはしない。
「だって、…はぁ、きたなっ…から…」
この狭い中でましてや二人きり。そんなこと言ってらんないのは明らかなのに。
スマホのライトをつけると、暗闇にきらりと涙が見えた。
「気にすんな。大丈夫だから…」
「はぁ…っ、」
それでも、北斗は苦しそうにするだけで暫くそんな状態が続いた。
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あーちゃん(プロフ) - Sakuさん» お楽しみいただけて何よりです〜こちらこそ、ありがとうございます！LOCKLOCK続編もお楽しみに〜 (2019年10月13日 23時) (
レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
Saku(プロフ) - BLACK読ませていただきました！最高でした！ありがとうございます またたまにある黒田先生との絡み楽しみにしてますね笑 これからも無理なく更新頑張ってください！ (2019年10月13日 17時) (レス) id: 6e7b6bb8a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - ななさん» ありがとうございます〜♪はい！是非ともパート3でも遊びに来てください！嬉しいですー！頑張ります(^^) (2019年10月12日 7時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました。辛くて切ない中にも、みんなの優しさやあたたかさを感じられてとても素敵なお話でした。移行先でもあーちゃんさんの小説を読めるのを楽しみにしております。 (2019年10月11日 22時) (レス) id: e1e336f268 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - くりさん» ありがとうございます〜！けっこう難しかったですが、私も楽しみながら書かせてもらいました！またお願いします〜 (2019年10月8日 6時) (レス) id: fc9b1a9ec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーちゃん
| 作成日時：2019年9月20日 12時
